コーティング材料で、人工関節をもっと快適に、もっと長寿命に

20年で交換が必要な人工関節
みなさんの周りで「ひざや股関節が痛い」と話している方を見たことはありませんか。高齢化が進む現代社会では、関節の病気に悩む人が増えています。治療に使われる人工関節は20年ほどで交換が必要になると言われていますが、平均寿命が延びていることや若い患者さんにも使えるように、より長持ちする人工関節が世界的に求められています。この研究では、そのような課題に挑戦しています。
新しい材料で摩擦と摩耗を減らす
セラミック製の人工関節は擦り減りにくく、より長持ちすると言われていますが、滑りが悪くなってきしみ音や違和感を生むことがあり、多くは使われていません。そこで私は、別の研究で創った水中でツルツルに滑らせるための「ケイ素、炭素、酸素でできた薄い膜のコーティング」に注目しました。関節液の主成分は水なので、関節液の中でツルツル滑り、セラミック製人工関節をより快適に長く使えるようになると思ったからです。
未来社会に役立つ技術を目指して
この研究が上手く進めば、セラミック製人工関節が治療時の選択肢の1つになると期待しています。このように「薄い膜をコーティングする」ことで滑りを良くしたり擦り減りにくくしたりする技術は、自動車や機械など様々な工業製品でも役立ちます。
私は、滑りを制御し擦り減りをなくす「新しい素材の薄い膜」を創り、超高齢化、省エネ・省資源化などの社会問題の解決に役立つ技術を産み出すことを目指しています。
私の研究は、物が滑ったり擦り減ったりする仕組み(摩擦や摩耗)を調べる「トライボロジー」という分野と、いろいろな目的に合わせて新しい材料の薄い膜を創り、表面にコーティングする「材料工学・薄膜工学」という分野です。たまたま大学内で、体の中に使われる材料を研究されている先生と話す機会があり、そのときに自分の研究が「人工関節」に役立つことに気づき、このテーマに取り組むようになりました。この経験から、自分の専門分野以外の人とも交流することの大切さも実感しました。
「長寿命セラミック人工関節を実現する高機能酸炭化ケイ素コーティングの開発」

◆主な業種
(1) 自動車・機器
(2) 一般機械・機器、産業機械(工作機械・建設機械等)等
(3) その他の機械・機器
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 製造・施工
(3) 生産技術(プラント系以外)
私が所属する工学部工学科機械システム系機械工学コースでは、目に見えない小さな部品から自動車、飛行機・ロケットまで、「機械」に関わるあらゆる分野で先端的な研究が行われています。その他に脳機能の研究も行われているので、是非、ホームページ(https://www.mech.okayama-u.ac.jp/)を見てください。機械に少しでも興味があれば、きっとやりたいことが見つかるはずです。
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Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 暮らすなら日本以外にはありません。外国で1年半暮らした経験から、外国とは大きく異なる日本文化や日本人の考え方に気付き、それに自分は良く合うと思うからです。 |
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Q2.感動した/印象に残っている映画は? のび太の恐竜 |
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Q3.学生時代に/最近、熱中したゲームは? 学生時代にファイナルファンタジーなどのRPG |