神経細胞を元気にするケイ素化合物を探して

人体に役立つケイ素
私が現在研究しているのは、「神経細胞を元気にするケイ素化合物」を探すことです。
ケイ素(シリコン)は、スマートフォンやコンピュータに使われる材料として有名ですが、実は人の体の中にも少しだけ存在しています。骨や腱に多く含まれていて、骨の再生を助けることがわかっています。では、同じケイ素が神経にも役立つのではないか? ここが今の研究課題の出発点です。
神経の成長を助けるものも、抑えるものも
神経組織は少しの傷なら自己修復しますが、大きく欠損すると自己修復や機能回復が難しくなります。私は「ケイ素周囲の分子の形や大きさを工夫すれば、神経細胞の働きを刺激できるのでは」と考えました。
実際、分子の構造や分子量が違うだけで、細胞の反応は大きく変わることがわかっています。ある構造のケイ素化合物は神経の成長を助け、別のものは逆に抑えてしまうこともあるのです。この違いを理解すれば、新しい「神経の再生材料」を設計できるかもしれません。
迷路の中で宝物を探す冒険
研究をしていると、思った通りにいかないことの方が多いです。でも、実験結果から意外な発見があったときには、とてもワクワクします。まるで迷路の中で宝物を探す冒険のようです。私が探している宝物は「神経を元気にする分子」です。これを見つければ、神経の病気やケガで苦しむ人を助ける新しい治療法につながると信じています。
化学の工夫で細胞の力を引き出し、医学の未来をひらく。その挑戦を、私はこれからも続けていきます。

高校時代は医学部に進学し、基礎医学を研究する国際的な研究者になりたいと思っていました。必要な成績を獲得できず、受験時に工学部に変更したため、当初は全く勉学に興味を持てませんでした。
卒業研究での研究室配属によって、工学部でも医学と密接に関係できるということに気がつき、現在まで本分野で研究活動を続けています。研究分野をベースに国際的な交流も可能なので、国際的な研究者という希望も叶えている状況です。

「神経細胞を刺激するケイ素化合物構造の探索」


◆主な業種
(1) 医療機器
(2) その他の化学系
(3) コンサルタント・学術系研究所
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 品質管理・評価
(3) セールスエンジニア・技術営業
伝記
様々な偉人の伝記を読むことで、他人の人生を疑似体験することができ、自身の生き方に反映することができる。
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Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 医学系:人間の身体はいまだに解明できないことがたくさんあります |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? イタリア:これまでに滞在した国の中で、プライベートも研究活動も充実していました |
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Q3.一番聴いている音楽アーティストは? 梅田サイファー:梅田ナイトフィーバー19’ |
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Q4.感動した/印象に残っている映画は? レ・ミゼラブル:基本的にミュージカルが好きです |
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Q5.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? タオル洗濯工場:真夏に1日中乾燥した暑いタオルを畳むだけの作業で、ダイエットもできました |
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Q6.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 語学勉強:仕事でいろいろな国に行くので、いろいろな言葉を知ることで文化も学んでいます |