産業ロボットへの愛と現場の要望を両立する制御技術を
「制御工学」に立ちはだかる現場の安全ルール
私は工場で働く産業用ロボットが好きです。彼らは人間には難しい作業を正確に行い、生活を豊かにしてくれます。
工場で働くロボットは「制御工学」という考え方に基づいて動いています。「制御工学」は与えられたロボットが持つ物理的特性を最大限に引き出し、人間では実現できないような高度で理想的な動作を実現するに最適な学問です。
しかし、この強力な「制御工学」を実際の工場現場で使うには、大きな壁があります。現場には、「作業者の方が怪我をしないようにする」「プログラムの誤り(バグ)で予期せぬ動作をしないようにする」といった、安全のための厳しいルールや開発上の制約がたくさんあるのです。純粋な制御工学の観点で言えば、「現場」で要求される安全措置は厄介な存在です。安全を優先すると、理想的な制御は極端すぎる動作や開発が必要になり、採用できないことがよくあります。
現場の制約も守り、最先端の制御技術をロボットに適用
私は、この矛盾を解決しようと研究しています。私のテーマは、現場の安全ルールや開発の制約を守りながら、あたかもそれらの制約がないかのように最先端の制御技術をロボットに適用し、人と機械が安全に協力して働けるようにすることを目指しています。
ロボットってとても素敵なんです。でも、ロボットが好きだからと言って作業者を傷つけてはいけません。我々研究者は現場の意見を傾聴することがとても大切だと思います。一生懸命がんばれば、ロボットに対する根源的な愛と、現場の要望はかならず両立できます。みなさんをハッピーにする研究を私はやってやるんだと思い、日々研究開発活動にいそしんでいます。
中学受験はどちらかといえば楽しかったです。特に算数が大好きでした。中学生になってからは電気物理部に所属していました。ロボット作りに憧れがあったのかもしれません。
私が研究者として成立するまでには、ロボットに対する憧れと、実務能力としてはモノづくりよりは数学に才能があったギャップに長く苦しんだと思います。「ロボットサークル」は必ずしも私の居場所ではありませんでした。私が居場所だと感じたのは「メカトロニクス」というキーワードでした。数学的な理論とロボットという実物を結びつけるこの分野こそが、自分の得意と「好き」を両立できる場所だと気づいたのです。みなさんも「ロボット」という広すぎる意味を持つ単語から一歩すすんで、何が好きかを考えていただくと良いのではないかと思います。
「最低限度の制御系変更で行う産業ロボットによるヒトと機械の共働制御」
◆ 福井研究室HP
「大学の先生」というと自室にふんぞり返っているイメージを持つ方もいるかもしれませんが、もうそんな先生はこの世の中に存在しません。我々は学生室での実験・議論や学内業務などでいつも走り回っています。
知的システム工学科は、ロボット、制御、機械の3つのコースから成り立っている学科です。それぞれのコースの分野は名前だけ聞くと近いことをやっているように見えますが、実際に学んでみるととても広い分野を包含していることに気づくことになると思います。実世界で動作する物体を自由に動かしたい、だけど、幅広い分野ものぞいてみたいという方は是非、まずはオープンキャンパスに遊びに来ることからはじめていただければと思います。
youtubeチャンネル「えびまラボ」
根本原因を解決して、ロボットの動作を改善したい。この思いを実現するにはどうしても数学が求められます。制御工学を楽しむには一定の数学力が必要なのです。2025年9月現在、このyoutubeチャンネルはとても良い数学的な思考法をたのしく解説してくれています。数学に基づいて現場ロボットの動作を改良していく。素敵な響きです。ぜひ、ロボットだけでなく、数学も愛せるようになってほしいと思います。
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ドラえもんの音楽おもしろ攻略 ピアノと歌がじょうずになる
八木 正一:監修(小学館)
専門分野に興味を持つことは大切ですが、大学生になるまでに培う「基礎力」の完成度を高めることはもっと重要です。
例えば音楽。高校を卒業すると習う機会は激減しますが、人前で技術や研究を発表するプレゼンテーションのスキルに直結しています。この視点がないと、知らない間にライバルに差をつけられてしまうかもしれません。この本では「音痴という概念はない。純粋な技術の問題であり、コンプレックスを感じる必要はない」など、自分の可能性にフタをしないためのメッセージも含まれています。
小学校や幼稚園で習った基礎的な経験は社会に出てからも役立ちます。「ドラえもんの漫画」と侮るなかれ。むしろ、そういった表面的な恥ずかしさを障壁にせずに復習しにいく姿勢こそが重要です。大学生までに培う「基礎力」から「ヌケ」を取り除きたい人にお勧めできる本の一例かなと思います。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 文系の学科:国語に関する分野を選ぶかもしれません。大学を飛び出して文系の方と話をすると、自分にはない能力を持っているなと敬意を感じます。特に、文系型の営業職ってすごいんだなと最近は感じます。 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 台湾、中国、イタリアなど。ご飯がおいしいです。 |
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| Q3.感動した/印象に残っている映画は? グレイテスト・ショーマン:作中歌の「The other side」がとてもかっこよかったです。出自関係なく異なる立場の者同士が協力して道を切り開くというテーマもポジティブでいいと思います。 |
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| Q4.学生時代に/最近、熱中したゲームは? GUILTY GEAR XX #RELOADを高校生の頃やりこみました。音楽がすごく良かったです。当時はインターネット黎明期で攻略速度が遅く、状況ごとの最大ダメージコンボを研究すると勝率が上がる楽しみがありました。 |
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| Q5.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 音楽:ピアノや声楽をストレス管理を兼ねて趣味として楽しんでいます。自分のご機嫌は自分でとって、ニコニコしていると自然と仕事もうまくいくものです。 |

