磁性ナノ粒子を用いた、身体に優しいがん治療診断手法の開発
磁性ナノ粒子は生体内で大活躍
磁性ナノ粒子は、磁気を帯びているナノメートル(nm)サイズの粒子(1 nmは1 mmの100万分の1)で、砂鉄をものすごく小さくしたものと考えてもらえると良いと思います。
磁性ナノ粒子は、生体組織内の細胞など微細な空間に入り込めます。そして、外からの磁界を加えて、非接触にエネルギーを与えることで、発熱をさせたり、粒子の位置や周囲の性質に関する情報を発信する、超微小探査機として働きます。
このため、がんを熱で治療する温熱治療や、腫瘍のイメージングといった、身体に優しいがん治療診断手法への応用が期待されています。特に私たちは、磁性ナノ粒子の応答から、腫瘍の状態(悪性度など)を判別する手法の開発に挑戦しています。
磁性ナノ粒子の機能を「計る」
この研究テーマは、磁性ナノ粒子という材料の物理的な特性について、電気電子工学や情報科学の技術で計り、医学や生物学へ応用しようとする研究です。材料開発では、化学的に粒子の表面を機能化することも必要です。
磁性ナノ粒子の機能は、粒子の大きさや形状、どのような磁界を加えるか、どのような環境で使うか、によって決まります。私たちは主に、磁性ナノ粒子の未知の機能を「計る」ことで理解し、人々の生活に役立つ新しい技術へと活用するために、新しい計測技術を自分たちで構築しています。新しい計測手法を開発することで、今までではわからなかったことを明らかにできます。同時に新しい応用技術への展開を考えることができ、それが計測工学という分野の魅力の一つと思います。
右:磁性ナノ粒子の磁気的な応答を計測するためのコイルです。
私がこの研究に取り組み始めたのは、大学2年生の時に、医学と工学の掛け合わせて新しい技術を創り出す「医工融合」を知ったことがきっかけでした。特に生体内、さらには細胞内に入り込み機能する磁性ナノ粒子に魅かれました。
「大多哲史先生 静岡大学教員データベース」
◆主な業種
(1) 医療機器
(2) 自動車・機器
(3) 半導体・電子部品・デバイス
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 基礎・応用研究、先行開発
◆学んだことはどう生きる?
私の研究室では、電気電子工学の中でも、電気的な回路設計や、データ解析のためのプログラミング技術を駆使しながら研究を進めています。「モノを計る」という学問(計測工学)では、幅広い知識や技術に触れます。このため、卒業生は、電気電子工学に関わる、医療機器・自動車・電子機器・電子部品・ソフトウェア開発など、幅広い分野で仕事に就いて活躍しています。
| Q1.感動した/印象に残っている映画は? ビューティフル・マインド(A Beautiful Mind、監督:ロン・ハワード) |
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| Q2.大学時代の部活・サークルは? 美術部(主に油絵に取り組んでいました) |

