電子デバイス・電子機器

スピントロニクス

ナノ構造物の揺れとスピンが影響し合うとどんな現象が現れるのか


山野井一人先生

慶應義塾大学 理工学部 物理学科

出会いの一冊

スピントロニクス基礎編

日本磁気学会:編、井上順一郎、伊藤博介:著(共立出版)

数式をおさえながらも、スピントロニクス分野の成り立ちや基礎から応用に至るまでを幅広く学べる一冊です。スピンという目に見えない性質が、実デバイスにどう使われているのかを具体例とともに丁寧に解説してくれます。

私は学部生時代、研究室のゼミでこの本を教材として勉強し、スピントロニクス分野の全体像をつかむきっかけになりました。スピントロニクス分野に少しでも興味を持った方には、最初の1冊としておすすめです。

こんな研究で世界を変えよう!

ナノ構造物の揺れとスピンが影響し合うとどんな現象が現れるのか

小さな磁石のような性質=「スピン」

私は「スピントロニクス」という分野を研究しています。スピントロニクスとは、「スピン」と「エレクトロニクス(電子工学)」を組み合わせた造語です。

従来のエレクトロニクスでは、電子が持つ「電気の性質(電荷)」だけを利用していました。一方、スピントロニクスでは電子が持つ小さな磁石のような性質=「スピン(角運動量)」も利用して、新しい物理現象や技術を生み出そうとしています。

ナノサイズの世界ではどのように振動するのか

私の研究では、ナノメートルサイズ(髪の毛の数千分の1ほど)の微小な構造物(グレーティング構造やハニカム構造など)を作製し、それを機械的に揺らすことで、スピンと共振運動の間にどのような相互作用が生まれるのかを調べています。

たとえば、ブランコを漕ぐとき、タイミングよく押すと大きく揺れる。あれと同じです。では、この揺れをナノサイズの世界だと、どのような振動をするのでしょうか。この揺れと電子のスピンが影響し合うと、これまで誰も見たことのないような、不思議な現象が現れるかもしれません。私はそれを“実験的に確かめる”ことに挑んでいます。

高度な微細加工技術が必要

このような研究は、精密な構造物の設計や微細な電極を実現するための高度な加工技術が必要です。最近の微細加工技術の進歩によって、ようやくこうしたナノ構造物の機械共振とスピンの関係を実験的に確かめられるようになってきました。

この研究が進めば、自然界には存在しない特別な動きや性質を持つ「人工物質」を利用した物理現象を明らかにできる可能性があります。それによって、未来の情報処理技術やセンシング技術に新しい可能性が開けることが期待されています。

構造物を機械共振するための電極にコンタクトさせたプローバ装置
構造物を機械共振するための電極にコンタクトさせたプローバ装置
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「金属ナノドットハニカム格子のバレー自由度を用いたスピンメカトロニクス」

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研究室でのミーティング風景。毎週、みんなで実験結果を議論しています。
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中高生におすすめ

ご冗談でしょ、ファインマンさん

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一問一答
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は?

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Q2.大学時代の部活・サークルは?

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