3Dプリント+導電性高分子インクで、新規デバイスの開拓
導電性高分子の持つ金属的な性質に着目
私たちの研究室では、導電性高分子を用いた、テラヘルツや電波領域で活用できる光学材料・素子の開発に取り組んでいます。
導電性高分子は電気を通すプラスチックとも呼ばれますが、半導体的な性質を示すものから金属的な性質を示すものまで多様な材料が開発されており、有機ELや有機薄膜太陽電池などへの応用に向けた研究開発が活発に進められています。私たちは、導電性高分子の持つ金属的な性質に着目して研究を進めています。
テラヘルツ波は通信技術でますます注目
金属は光をよく反射して金属光沢を示します。これはプラズマ反射と呼ばれる現象によるものです。それぞれの金属材料には固有のプラズマ周波数があり、それより低周波側の光(電磁波)をよく反射します。例えばアルミのプラズマ周波数は紫外域(3.6×1015 Hz)にあるので、それより低周波側の可視光はよく反射するのです。
導電性高分子の中でも特に高い導電性を示すものは、プラズマ周波数をテラヘルツ帯(1 THz = 1012 Hz)に持つものがあり、それより低周波側のテラヘルツ波や電波に対してプラズマ反射を示すような金属的な性質を示します。テラヘルツ波は次世代情報通信技術での本格的な利用が見込まれており、近年ますます注目されています。
有機溶媒に溶かせばインクとして使える
導電性高分子は有機溶媒に溶かしてインクとして用いることができるので、様々な印刷技術を活用したプリンテッドエレクトロニクスによるデバイスの作製が可能です。
私たちの研究室では、スクリーン印刷や3Dプリントなどの技術を駆使して、マイクロ波を広帯域で吸収する板状の電波吸収体や、テラヘルツ波を自在に制御するようなデバイスの開発を進めています。
大学3回生の時に受けた、のちに指導教官となる恩師吉野勝美先生の講義が忘れられません。
「シリコンなどの無機半導体が必要で主流であることには変わりがありませんが、有機分子なども重要になってきた。分子の集団を利用する素子、デバイス、それがさらに生物につながっていく。生物は決してシリコンが主体ではない。シリコンが入っていないのに高性能であり、神秘的なくらいであります。頭の中にはシリコンは入っていません。シリコンが入っていたら石頭ですが。」(吉野勝美「最終講義」より(一部改変))
「3Dプリントによるオールポリマー偏光・位相制御テラヘルツメタデバイスの創製」
電気電子工学コースでは、材料科学や物性に関する学問のみならず、専門の数学の基礎から、電磁気学、回路やプログラミングに至るまで、電気電子工学分野のエンジニアとして将来活躍するための基礎を広く学びます。
私たちの研究室でも、有機機能性材料の基礎物性の分光学的な評価から、プリンテッドエレクトロニクスによるデバイスの作製および光学特性評価、自動計測システムの構築とプログラミング、電磁界シミュレーションによるデバイスの設計、深層学習によるデバイスの逆設計など、さまざまな研究項目に取り組んでいます。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? また工学部を選ぶのだと思います。 |
|
| Q2.一番聴いている音楽アーティストは? milet |
|
| Q3.感動した/印象に残っている映画は? 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 |
|
| Q4.大学時代の部活・サークルは? 高校、大学ともに空手道部。幼稚園の時から道場に通っていたので自然な流れでした。高2の時、部員が激減して事実上の廃部状態でしたので、練習場所を求めて道場を二つかけ持ちしていました。大して上手くはなりませんでしたが、とにかく好きでした。 |

