「光共振器」の中で起こる量子光学現象の解明
「合わせ鏡」のような光を閉じ込める構造
「合わせ鏡」は悪魔が召喚するなど都市伝説的に語られますが、実は物理の研究対象にもなっています。
悪魔の召喚は研究対象ではありませんが、様々な興味深い光物理現象を引き起こします。鏡は光を反射するので、光は合わせ鏡の間を無限に往復して閉じ込められ、光の次元性の顕在化や光と物質の相互作用制御など様々な量子光学現象を引き起こします。物理では「合わせ鏡」のような光を閉じ込める構造のことを「光共振器」と呼びます。
「光共振器」は光の楽器
私の研究室では、隙間がたった100ナノメートル程度(原子1000個分程度のサイズ)の「光共振器」を対象とし、さらにその隙間に発光する物質を挟み込んで発光を閉じ込める研究を行っています。
高校では光は「波」であると学習しますが、同じく波である音波を狭い空間に閉じ込めたものはいわゆる「楽器」であり、特定の音階(波長)を奏でることができます。実は「光共振器」も同じ概念が成り立ち、特定の色の光のみを入出力できる(奏でる)光の楽器とも言えます。
技術応用も可能だが、まずは純粋な興味から
例えば、弦楽器の弦の真ん中を弾くと大きく音が響きますが、端の方を弾いても大きく音は響きません。光の波も同じで、「共振器」の構造や挟み込む発光物質の位置を非対称に配置することで、発光の強度が大きく制御できることになります。これは共振器が持つ次元性の顕在化とも解釈でき、私の研究室ではこれを実験だけでなく数学的な計算も併用してこの現象を明らかにする研究を行っています。
このような効果は未来に期待されている「光電融合」や「量子光技術」にも応用可能ですが、まずは純粋な物理的興味を動機として研究を行っています。
中学生の頃は理科、特に宇宙・天文が好きな(でも大してのめり込むわけでもない)状況でした。理科はそこそこいいが数学の成績は芳しくない状況でした。宇宙は地学の一分野だと勘違いしていた高校1年生の頃、進路指導の過程で宇宙が物理の分野であることを知り驚きました。
その後、高校1年生で物理を学び始めてから物理に強く惹かれ、さらに成績向上のため仕方なく始めた我流での数学の復習を通して数学の面白さと勉強の仕方を知りました。さらに物理はすべて数学で構築されていることも知りました。高校1年生でこれらの点がすべて一つの線につながり、物理学科を強く志望するに至りました。
「非対称構造を持つ有機結晶微小共振器における放射レートの空間依存性」
◆ 阪東研究室HP
◆主な業種
(1) 光学機器
(2) 半導体・電子部品・デバイス
(3) コンピュータ、情報通信機器
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 設計・開発
(3) システムエンジニア
◆学んだことはどう生きる?
当研究室では過半数の学生が大学院修士課程にそのまま内部進学します。学部卒の卒業生も大学院修了の卒業生も、静岡という土地柄もあって自動車産業が活発な東海地域への就職する人が多いです。
また当研究室の研究分野が光と半導体の分野でもあることから、特に光・半導体の関連産業への就職が多いです。自動車のライト・ランプやミラーの製造業、光ファイバー大手、半導体の設計、光学機器関連などが多いです。また特殊な例としては、物理を題材とするミステリー小説を執筆する作家も卒業生にいます。
研究面ではなく教育面になりますが、一般的に、物理学科で学ぶ物理は私の所属する静岡大学だけでなく、日本全国どの大学でも物理の基盤として学習する内容はほぼ同じです。一方で、大学で専門物理を学び始めると高校物理との間にギャップがあると感じる人が少なくありません。静岡大学理学部物理学科では1年次に基礎物理学という、このギャップを埋めてくれる独自の授業があり、スムーズに大学物理に移行できるのが大きな一つの特色です。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 経済・歴史 |
|
| Q2.大学時代の部活・サークルは? 天文同好会 |
|
| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 科学館のアルバイト |
|
| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 子供とのザリガニ釣り |

