ミルフィーユのように金属を重ねて、スゴイ!材料に
5種類以上の金属を混合し強度を向上
今取り組んでいるテーマの一つに「Ti系ハイエントロピーミルフィーユ材料のキンク強化」というものがあります。この研究のキーワードは「ハイエントロピー合金」「ミルフィーユ材料」「キンク強化」の3つです。
皆さんがよく目にする一般的な合金(たとえばアルミニウム合金)では、基となる金属の中に他の元素を少し足したものがほとんどです(たとえばアルミニウムに銅や亜鉛など)。一方、ハイエントロピー合金は、厳密には5種類以上の金属をおおよそ等濃度で混合した合金のことで、一般的な合金と比べて強度や耐熱性などが向上することが知られています。
金属でも硬い層と柔らかい層を交互に
次にミルフィーユ材料ですが、このかわいらしい名前の由来はお菓子のミルフィーユです。硬いパイ生地と柔らかいクリーム部分の層状構造から成るミルフィーユのように、金属でも硬い層と柔らかい層が交互に積層した構造をとる場合があります。これがミルフィーユ材料と呼ばれ、最近この層構造を利用することで材料が強化される「キンク強化」という現象が見出されました。
より強くより優れた材料への挑戦
そして、これらを全部一気に利用してしまおう、というのが私の研究です。ミルフィーユ材料の層のどちらかをハイエントロピー合金にして、さらに層構造も整えることでより強く、より優れた特性を持つ材料を作りたい、という欲張りかつチャレンジングな研究です。
そもそもハイエントロピー合金、もしくはミルフィーユ材料だけを作るということすら、とても難しいのですが、それを一気にやってしまおうというのだから、この研究はうまくいかないことばかりです。でも、それを積み重ねた上にスゴイ!と思える材料ができたり、予想外のワクワクする現象が突然現れるので、やめられないですね。
「Ti系ハイエントロピーミルフィーユ材料のキンク強化」
◆主な業種
(1) 自動車・機器
(2) 鉄鋼
(3) 非鉄
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 基礎・応用研究、先行開発
私が所属している物理工学科材料機能分野では、燃料電池、太陽電池などのクリーンエネルギー材料、電子のスピンを制御するスピントロニクス材料、自動車や航空機で使用される高強度構造材料など、様々な材料に関する研究を行っています。
私たちの研究室では特に、金属系構造材料の特性向上について、ナノ、メゾ、ミクロの幅広い観点からの「マルチスケールな材料組織制御」を実現するべく日々研究を行っています。取り扱っている材料も鉄鋼材料、アルミニウム、銅、チタンなど様々で、それぞれの材料に対して組織制御、結晶方位制御などを行うことで、軽量、高強度、高耐熱性、高耐食性といった複数の機能を併せ持つ材料の実現を目指しています。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? たくさん選びたいところですが、医・薬学部などに興味があります。身体に詳しくないので憧れがあります。 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ポーランド。食べ物がおいしいからです。 |
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| Q3.大学時代の部活・サークルは? ラクロス部 |
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| Q4.好きな言葉は? 一以貫之 |

