反応工学・プロセスシステム

ケミカルリサイクル

海洋プラスチックごみを削減しよう! 漁網のケミカルリサイクル


岡島いづみ先生

静岡大学 工学部 化学バイオ工学科(総合科学技術研究科 工学専攻)

出会いの一冊

トコトンやさしい高分子の本

扇澤敏明、柿本雅明、鞠谷雄士、塩谷正俊(日刊工業新聞)

身近にあるプラスチックは「プラスチック」とひとくくりにしがちですが、使用用途ごとに求められる性能が異なるため、様々な種類のプラスチックが使われています。また、ケミカルリサイクルはプラスチックの分解反応を利用しますが、どのように反応が進むかを検討するにはターゲットとするプラスチックの知識が必要です。

普段使っているプラスチックとは何なのか、もう少し詳しく知りたい人の入門書としておススメです。

こんな研究で世界を変えよう!

海洋プラスチックごみを削減しよう! 漁網のケミカルリサイクル

化学反応させて分解し再利用する手法

最近、海洋プラスチック問題をよく耳にするようになりました。陸で発生した廃プラスチックが雨風によって河川や海に流出して海洋を汚染する問題ですが、それ以外にも放棄や投棄された漁網などの漁具も一因となっています。

私はこれまでプラスチックのケミカルリサイクルについて研究を行ってきました。ケミカルリサイクルは、プラスチックを化学反応させることでプラスチック原料や油などの化学原料まで分解し、再利用する手法です。

さまざまなプラスチック製品

プラスチック製品は、ペットボトルのように1種類のプラスチック、鰹節などの乾燥食品用包装のように2種類以上のプラスチックで構成されているもの、航空機の機体のようにプラスチックを強靭な繊維で強化させたものなど、さまざまなものが使用され、そして使用後に廃棄されることから、リサイクル技術の確立が求められています。

リサイクルにも環境配慮が必要

一方で、化学分野では環境調和型で持続可能なものづくりが期待されています。そのため、熱による分解だけではなく、環境負荷が少ない溶媒として水やアルコールを反応溶媒としたプラスチックの分解反応を中心に、プラスチックの原料化、複合プラスチックからの各成分の分離回収など、リサイクルに必要なプロセス開発を目指して研究を進めてきました。

漁網も1種類もしくは2種類のプラスチックから構成されている製品です。そのため、これまでの知見を漁網のリサイクルに活かせるのではという考えから、研究開発を進めています。

実験の様子
実験の様子
テーマや研究分野に出会ったきっかけ

大学4年生の卒業研究がきっかけです。当時は触媒工学に興味があって研究室を選択しました。その時の卒業研究テーマが「ポリエチレンを熱分解してガソリンを製造するための触媒探索」でした。

液体洗剤のボトル容器など、身近な材料であるポリエチレンの分解に用いる触媒について研究していましたが、触媒よりもプラスチックを主体とした検討に興味を持ち、現在もプラスチックのケミカルリサイクルの基となる分解反応に関する研究を続けています。

先生の研究報告(論文など)を見てみよう

「海洋プラスチックごみ削減に向けた漁網のケミカルリサイクル技術の開発」

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学生たちはどんなところに就職?

◆主な業種

(1) 化学/化粧品・繊維・衣料/化学工業製品・石油製品

(2) プラント

(3) その他の化学系

◆主な職種

(1) 生産技術(プラント系)

(2) 設計・開発

(3) 基礎・応用研究、先行開発

◆学んだことはどう生きる?

研究テーマがそのまま業務に活かされることは少ないですが、化学工学を主とした研究室ですので、化学分野などの生産プロセスや研究開発に関わる卒業生が多いです。

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中高生におすすめ

一問一答

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