「がん」はなぜできるのか そのメカニズムからゲノム医療まで
国立がん研究センター研究所:編(ブルーバックス)
がんの仕組みや発生のメカニズムから最新の診断・治療技術まで、図を使ってわかりやすく説明されている本で、高校で生物を学んでいない私でも容易に理解できました。
工学と医学のように複数の分野にまたがる研究では、自分の専門以外の知識が不足して戸惑うことがあります。そんなとき、専門的な内容をやさしく解説してくれる本はとても役立ちます。工学や医学に限らず、複合領域にわたる研究や仕事に取り組むには、まず両分野の基礎をしっかり理解することが大切です。AIに頼るだけでなく、わかりやすい本を見つけて読むことは非常に重要だと思います。
がんの動きを追跡する画像技術で、がん治療を支援
患者さんの負担が少ない「温熱治療」
がんは今や日本人の2人に1人がかかる病気です。一般的な治療法は手術ですが、患者さんの体や心への負担が大きいため、治療後の生活の質(QoL)も考えて、負担の少ない「低侵襲治療」が注目されています。
私は、数理最適化や画像処理などの工学的な技術を使って、低侵襲治療のひとつである「温熱治療」をより安全で効果的に行うための支援技術に関する研究に取り組んでいます。
MRI画像を使用し、温熱治療中の体の様子を見る
温熱治療は、がん細胞が熱に弱い性質を利用して、ラジオ波や超音波で患部を加熱します。通常、治療中に体内の様子を直接見ることはできませんが、磁場の力を用いることで体内の状態を画像化する磁気共鳴画像(MRI画像)を使用した中での温熱治療も行われています。MRIは体内の状態やがんがあるかどうかの診断だけでなく、脳機能や温度変化に関する情報も取得できるので、温熱治療中にがんの状態や温度変化も確認することができます。
呼吸で動く臓器のがんを追跡・予測する
ただし、肝臓のように呼吸によって、変形しながら大きく動く臓器では、がんの位置も変わるため、治療する場所を正確に追跡する必要があります。そこで私は、連続して撮影したMRI画像から、血管などの特徴点の動きや画像の輝度の変化を数理的に分析・最適化することで、治療するがんやその周囲の動きを追跡・予測する技術を開発しました。
この技術をさらに発展させることで、呼吸で動く臓器にあるがんに対する温熱治療だけでなく、ロボット支援治療といった他の低侵襲治療もより安全にかつ効果的に実施できる可能性が広がると考えています。
高校2年生のときに虫垂炎で手術を受けたことをきっかけに、それまでは全く関心のなかった医療に興味を持つようになりました。医師だけでなく多くの人や技術が関わっていることを知り、医療の奥深さに気づきました。
大学受験時に進路を選ぶ際には、その当時も注目されていた情報系を選びましたが、医療支援に関わる研究があれば挑戦してみたいと考えていました。大学4年生で研究室を選ぶ際に、治療支援に関する研究を行っている研究室があり、「ここしかない」と感じて進むことに決めました。
「磁気共鳴画像による腹腔臓器4次元変位・変形予測手法の開発と温熱治療への応用」
◆主な業種
(1) ソフトウエア、情報システム開発
(2) コンサルタント・学術系研究所
(3) 電気機械・機器(重電系は除く)
◆主な職種
(1) システムエンジニア
(2) 技術系企画・調査、コンサルタント
(3) 設計・開発
数学や情報などの基礎科目に加え、データサイエンスやスーパーコンピュータ、システム科学などのSystem Informatics(システム情報学)に関する専門知識を入学直後から学ぶことができます。それにより最短6年で博士号の取得も可能です。
また、数学や物理の理論から宇宙、通信、医療、ものづくりなど、幅広い分野の最先端研究を行っている教員や大学院生らとともに社会課題解決のための研究プロジェクトに参画でき、社会課題解決や新たな価値の創造に貢献できる力を養うことができます。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? その時世界で最先端のことを学びたいと思うので、機械学習・深層学習が非常に注目され、開発されている今ならば、もう一度情報工学系を選ぶと思います。 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? フランスやポルトガル。国際学会に参加・発表するために行ったことがありますが、時間がゆっくりと流れている感じがして、研究も含めいろいろなことを落ち着いて考えられそうだからです。便利さで日本に勝る国はほとんどないと思いますが… |
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| Q3.感動した/印象に残っている映画は? 夜のピクニック |
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| Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 自作のパソコンを大量に組み立てるバイトをしたことがあります。自分自身が使用するパソコンも自作する力もつきました。 |

