地下水・湧水の疑問50
日本地下水学会(成山堂書店)
私の研究では、ふだん目に見えない「地下水」や「湧水」の流れや年齢を明らかにし、地域の水資源を守る手がかりを探しています。その入り口として、高校生にぜひ読んでほしいのが『地下水・湧水の疑問50』です。
この本は、「地下水はどこから来るの?」「なぜ湧水が出るの?」といった素朴な疑問に対して、やさしく、でも本質を突いた答えを示してくれます。
特におすすめなのは、「地下水の動き」や「人との関わり」に関する章です。地下水がどれほど長い旅をし、私たちの暮らしと深く結びついているかが、きっと実感できるはずです。水の不思議を科学でひも解く世界への第一歩として、ぜひ手に取ってみてください。
地下水の物語を科学の力で解き明かし、未来の水環境を守る
水には旅の記録がある
私の研究室では、地下水や湧水といった、ふだん目に見えない水資源である「地下水」の流れを“見える化”することを目指し、さまざまな科学的手法を駆使して研究に取り組んでいます。つまり、「この地下水はどのような経路を通り、どれほどの年月をかけてここに辿り着いたのか」といった、水の“旅の記録”や“歴史”を読み解くイメージです。
私は雪国・秋田県出身ですが、夏には冷たく冬には温かく感じる湧水が、人々の生活と密接に関わっていることを知り、地下水の奥深さに心を惹かれました。
水資源開発や地下水汚染の解決にも
こうした地下水研究は、目に見えない水資源を見える化するという科学的ロマンにとどまらず、現代社会が直面する重要な課題の解決にもつながります。たとえば、半導体工場の進出に伴う水資源の開発や、PFASなどによる地下水汚染といった問題に対し、地下水の流れや滞留時間を正確に把握することは不可欠です。
地下水の見える化は、こうした課題に対して科学的根拠をもとに解決策を提示するための第一歩なのです。
水の探偵 歴史を紐解く
私たちは、実際に現地で水を採取し、その水質成分や同位体手法、環境DNAなどを分析することで、地下水の流動や起源を明らかにしています。まるで“水の探偵”のように、地域の水が辿ってきた歴史を一つひとつ丁寧に紐解いていきます。近年では、ドローンと赤外線カメラを用いて、海底から湧き出す地下水を探索する新たな研究にも挑戦しています。
水に秘められた物語を科学の力で解き明かし、未来の水環境を守る。それが私たちの目指すところです。みなさんも、未知なる水の世界を一緒に探究してみませんか。
大学時代に「水はどこから来るのか」と疑問を持ち、地下水の起源標高を水の安定同位体を用いて推定する手法を知って強く興味を抱きました。大学院(修士)時代には、まさにその手法の論文著者と偶然、大山(鳥取)の湧水調査でご一緒し、研究の最前線を肌で感じました。
その後、博士課程からは熊本大学で国内外の多様なフィールド調査に参加し、水の流れを「見える化」する研究の面白さにのめり込むようになりました。
「島嶼水環境の脆弱性評価に向けた環境トレーサーの継続モニタリング」
◆ 水環境科学研究室
◆主な業種
(1) 電気・ガス・水道・熱供給業
(2) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
(3) 食品・食料品・飲料品
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 大学等研究機関所属の教員・研究者
(3) 品質管理・評価
◆学んだことはどう生きる?
卒業生の中には、県庁や市役所で環境保全に携わり、地域の水環境の維持に貢献している公務員や、水道・下水道など水インフラを担う民間企業で活躍する人もいます。また、ジャパネットや三菱など長崎の大手企業で地域貢献に取り組む卒業生もいます。
学生時代に学んだ水環境の知識や調査・分析の経験を活かし、社会の現場で即戦力として実践的に活躍している姿がとても印象的です。卒業生の皆さん、遊びに来てくれた時に美味しいお土産をいつもありがとう!
環境科学部は文理融合の学部であり、自然環境や社会との関わりを幅広い視点から学べるのが大きな特徴です。理系分野では、大気・動物・植物・火山など多彩な専門を持つ先生がそろい、私のように地下水の流れを追う研究も行えます。
研究室間の垣根が低く、分野を超えて自由に議論できる明るい雰囲気があり、自分の興味を深めながら柔軟に探究できる環境が整っています。興味を持ったことに、とことん挑戦できる学部です。
(1) 地下水は、降水が地表に浸透し、地下を長期間かけて移動することで形成される重要な水資源です。地域ごとに異なる地下水の特性は、地形や地質、気象条件などと密接に関係しています。そこで、身近な湧水や井戸水を対象に、水温や電気伝導度などの基礎的な水質指標を測定し、気象データや地形図と照らし合わせながら、水の動きとその環境的背景について考察してみましょう。
(2) 湧水または井戸水の1地点を定め、一定期間にわたり水温および電気伝導度の変化を定点観測します。併せて降水量や気温、地質条件などの外部データも整理し、環境変化が地下水に及ぼす影響を分析します。可能であれば、簡易水質検査キット等を用いてpHや硬度、硝酸態窒素の変化を記録し、地下水の供給源や滞留時間の推定に挑戦することも有意義です。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 当時は教育学部だったので、もし戻れるなら環境学や地理学! |
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| Q2.大学時代の部活・サークルは? 利部!あ、間違えた!硬式野球部 |
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| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 居酒屋とラーメン屋。だから太った…っておい! |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 小学生の息子が野球をしていること。守備職人になってほしいです。 |

