環境材料・リサイクル

繊維強化プラスチック

困難な高性能プラスチックのリサイクルに革命を


高山哲生先生

山形大学 工学部 高分子・有機材料工学科(有機材料システム研究科 有機材料システム専攻)

出会いの一冊

長もちの科学 良い製品を長く大事に使うための技術

京都工芸繊維大学 長もちの科学研究センター:編(日刊工業新聞社)

いろんな分野で使用されている材料の特性が「長もち」というキーワードを軸にわかりやすく説明されています。

前半には、伝統技術に関する項目があり、古来日本でものを長く使うためにどのように工夫がなされてきたかを知ることができます。後半では現在使用されている材料にフォーカスを当てて説明されています。マテリアルリサイクルに関する事例もいくつか紹介されており、材料やリサイクルに関する知識を得るきっかけとして適していると思います。

こんな研究で世界を変えよう!

困難な高性能プラスチックのリサイクルに革命を

世界でも先進的な研究

今、私が進めている研究は、私たちの身の回りにあるプラスチック製品の「リサイクル革命」を起こそうとする画期的な取り組みです。

従来のプラスチックリサイクルは、単純な材料を溶かして再利用するだけでした。しかし、この研究では「繊維強化プラスチック(FRTP)」という、プラスチックに細かい繊維を混ぜて強度を高めた高性能材料のリサイクルに挑戦しています。これまで難しいとされていた複合材料の機械的リサイクルの可能性を探る、世界でも先進的な研究です。

「捨てられていた宝物」が活きる

現在、プラスチックリサイクル率はわずか10%程度で、環境問題の大きな要因となっています。特に自動車部品や家電製品に使われる高性能プラスチックは、リサイクルが困難で廃棄されることが多いのです。

この研究が成功すれば、これらの「捨てられていた宝物」を有効活用でき、持続可能な社会の実現に大きく貢献できます。

リサイクル材料の「元気度」を診断

研究では、リサイクルを繰り返すことで材料の性質がどう変化するかを詳しく調べています。まるで「材料の健康診断」のように、力学試験や衝撃試験など様々な検査を行い、リサイクル材料の「元気度」を測定しています。

また、ナノサイズの炭素繊維を混ぜることで、リサイクル材料の性能を向上させる新技術も開発しており、科学の力で環境問題を解決する現代の錬金術のような研究です。

この研究は、技術革新と環境保護を同時に実現する、まさに次世代を担う皆さんの未来に直結した重要な挑戦なのです。

研究室で使う成形機と成形品。これらを使って、材料を混ぜたり、試験片を作ったりします。できるだけ少ない量でいろんな実験が行えるように工夫しながら研究を進めています。
研究室で使う成形機と成形品。これらを使って、材料を混ぜたり、試験片を作ったりします。できるだけ少ない量でいろんな実験が行えるように工夫しながら研究を進めています。
テーマや研究分野に出会ったきっかけ

先生の研究報告(論文など)を見てみよう

「短繊維強化熱可塑性プラスチックのメカニカルリサイクル性評価基準の確立」

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日ごろの研究室の風景。学生が実験している様子です。試験片が小さいので小さな装置で実験できます。
日ごろの研究室の風景。学生が実験している様子です。試験片が小さいので小さな装置で実験できます。
学生たちはどんなところに就職?

◆主な業種

(1) 化学/化粧品・繊維・衣料/化学工業製品・石油製品

◆主な職種

(1) 製造・施工

(2) 品質管理・評価

(3) 生産管理・施工管理

◆学んだことはどう生きる?

先生の学部・学科は?

山形大学の高分子・有機材料工学科の最大の特徴は、他の大学では見られない、材料に特化した独立した大学院である「有機材料システム研究科」があることです。

研究の応用範囲も非常に広く、スマートフォンから自動車、宇宙産業、医療機器まで、あらゆる「物づくり」の基盤となる材料を研究しています。この分野では世界のトップクラスの教育研究を行っている環境があり、未来の技術を支える新材料の開発に世界レベルで取り組むことができます。材料科学の分野で日本最高峰の専門性と歴史を持つ、他では学べないユニークな学科なのです。

先生の研究に挑戦しよう!

中高生におすすめ

下町ロケットシリーズ

池井戸潤

技術を追求したりや難題に立ち向かう姿勢は共感できます。技術者や研究者を目指す人におすすめです。

一問一答

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