視界を奪う「黄斑浮腫」をピュアイエローのレーザーで治す
黄斑浮腫への対策は重要な医療課題
黄斑(おうはん)は見るための細胞がもっとも密に集まっている眼・網膜の場所で、視力の中心である黄斑に浮腫(むくみ)が起こると患者の視界が奪われてしまいます。
黄斑浮腫は、成人の10人に1人ともいわれる糖尿病がきっかけとなって発症することの多い病態です。いま世界の糖尿病人口は5億を超え、増加の一途をたどることが予測されるため、黄斑浮腫への対策は重要な医療課題の一つです。
なぜレーザーが浮腫に効果があるのか
最近の朗報として、ピュアイエローの光でつくるレーザービームを、閾値下(いきちか)とよんでいる10ミリ秒程度の一瞬だけ病変ちかくに直接あてると、黄斑のむくみを減らせることがわかってきました。
この新しい光による、短時間で、薬剤よりも安価な治療法への期待が高まっていますが、なぜレーザーが浮腫に効果があるのか?が明らかになっていません。
ここで「分子細胞生物学」の出番です。
さまざまな細胞に変化できるiPS細胞から、網膜細胞の部分を体外で再現して、ここに治療を模したレーザーの光を実際に照射してみて、細胞がどのように反応するのか?を懸命に調べているのが私たちの研究です。
涙での検査法も目指して
これまでに特定のタンパク質が、レーザー照射から一定の時間で遺伝子の発現をともなって、細胞の外に分泌されることを見つけており、現在はこのタンパク質に連動する体内物質をQ-TOFマススペクトロメーター(質量の情報にもとづいて成分の存在量を推定できる装置)で測定していることころです。
これらの実験結果から、涙の成分で簡便に治療の効果を判定する検査法の開発も目指しています。
もともとは中学の体育の先生になりたかったです。教育大学での教養科目は、民族音楽や地獄絵図、着衣泳など面白い内容が沢山で、なかでも生殖生理学の授業で知ったステロイドが衝撃的でした。
ちょっとした化学構造のちがいで、メス・オス、女・男を変えてしまうとは...。生物の共通性と多様性に関心・感心しつつ、自分でも研究してみたい!と思いついた頃に大学の図書室で見つけたのが恩師の『メダカ学全書』(岩松鷹司:著)で、「科学者が探求し、表した自然の事物は、たとえ真理ではなくても、その人の芸術であり、情熱の表れである」から始まります。
「糖尿病黄斑浮腫に対する閾値下レーザー治療のモニタリングマーカー確立」
◆主な業種
(1) 病院・医療
(2) 医療機器
(3) 薬剤・医薬品
◆主な職種
(1) 臨床検査技師
(2) 臨床工学技士
臨床検査と臨床工学の両方を技術の立場から、医療を知識として学ぶだけでなく、実技としてしっかり身につけることができます。技術を身につけるための学習環境も整っています。臨床での実務経験が豊富な専任教員によって、授業科目の多くが運営されています。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 外国語学部 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? フィンランド:雪の季節を過ごす技術を習得したいから |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 卒業アルバム制作 |
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Q4.好きな言葉は? Music is THE BEST |