世界中で応用研究が進む「テラヘルツ光」。超高感度な検出に成功
テラヘルツ光は将来、スマホの回線に
テラヘルツ光(電磁波の一種)という、人間の目では認識することができない光に関する研究を行っています。
テラヘルツ光を利用した製品などは一般社会にはまだほとんど普及しておらず、聞いたことがないかもしれませんが、後10~20年経てば、スマートフォン等の無線移動通信でもテラヘルツ光が使われるようになり、世界中にテラヘルツ光が飛び交うようになると考えられています。
超高感度なセンシングやイメージング計測への応用
テラヘルツ光は通常の光(可視光)や電波には無い特殊な性質があり、様々な応用研究が世界中で進められています。私は特に、テラヘルツ光を使って量子干渉や量子もつれという特殊な量子力学的状態を作り出すことで、ニュートン力学やマクスウェル電磁気学等の物理学理論では実現不可能な、超高感度なセンシングやイメージング計測を実現することに興味を持って研究に取り組んでいます。
100万倍高感度な検出技術を開発
そのためには超微弱なテラヘルツ光であっても効率良く検出する技術が必要なのですが、テラヘルツ光は通常の光と比べて光子エネルギーが1/1000程度しかなく、原理的に高感度検出が難しいという問題がありました。
そこで私は、非線形光学効果という現象を利用してテラヘルツ光を可視光へと変換し、通常の光検出用の半導体を使ってテラヘルツ光を超高感度に検出することに成功しました。この技術を使うと、テラヘルツ光を検出するために一般的に良く使われている焦電検出器に比べて、100万倍高感度にテラヘルツ光を検出することができます。
もともとは太陽や原子爆弾等がなぜ膨大なエネルギーを発生できるのか?その原理が知りたくて原子核物理に興味が湧き、大学の物理学科に入学し、大学院修士・博士課程でも核融合物理の研究で学位を取得しました。その後も国の研究機関と大学で核融合発電の研究を数年間していたのですが、核融合発電の限界を感じていたことなどもあり・・・研究テーマを変えてみたいと模索する日々が続きました。
現在は縁あって、レーザー光等を使って非線形光学や量子光学の研究をしていますが、こちらの研究も面白い点がたくさんあります。自分の専門だけに固執せず、いろいろな事にチャレンジしようと今でも考えています。(が、現実は忙しくてなかなか思うように行きません。)
「テラヘルツ光の量子状態生成と量子計測応用の開拓」
石巻専修大学の情報電子工学科ではプログラミングからAI、電気電子回路、半導体エレクトロニクスまで様々な最先端科学を、少人数教育(1研究室当たりの卒研配属は3~4人です)で基礎から深く学ぶことが出来ます。また、基本情報技術者や電気主任技術者などの国家資格取得を目指す学生を集め勉強会を開催し、資格取得へ向けたサポートも行っています。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 今だったら量子コンピュータや量子情報通信が学べる学科 |
|
Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ハワイ。もっと暖かいところで暮らしたい。。。 |
|
Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 将棋の面白さに最近はまっています。 |
|
Q4.好きな言葉は? ニュートンとかガリレオは、退屈なんてしないさ。 |