光工学・光量子科学

テラへルツ光

世界中で応用研究が進む「テラヘルツ光」。超高感度な検出に成功


野竹孝志先生

石巻専修大学 理工学部 情報電子工学科(理工学研究科 物質工学専攻)

出会いの一冊

量子コンピュータ 超並列計算のからくり

竹内繁樹(講談社ブルーバックス)

著者は量子光学研究の世界的権威ですが、本書は最近流行りの量子コンピュータの基礎理論、動作原理、面白さ、難解さ等に関して、高校生レベルでも理解できるように非常に分かりやすくまとめられており、「量子」の勉強の取っ掛かりとして優れていると思います。

こんな研究で世界を変えよう!

世界中で応用研究が進む「テラヘルツ光」。超高感度な検出に成功

テラヘルツ光は将来、スマホの回線に

テラヘルツ光(電磁波の一種)という、人間の目では認識することができない光に関する研究を行っています。

テラヘルツ光を利用した製品などは一般社会にはまだほとんど普及しておらず、聞いたことがないかもしれませんが、後10~20年経てば、スマートフォン等の無線移動通信でもテラヘルツ光が使われるようになり、世界中にテラヘルツ光が飛び交うようになると考えられています。

超高感度なセンシングやイメージング計測への応用

テラヘルツ光は通常の光(可視光)や電波には無い特殊な性質があり、様々な応用研究が世界中で進められています。私は特に、テラヘルツ光を使って量子干渉や量子もつれという特殊な量子力学的状態を作り出すことで、ニュートン力学やマクスウェル電磁気学等の物理学理論では実現不可能な、超高感度なセンシングやイメージング計測を実現することに興味を持って研究に取り組んでいます。

100万倍高感度な検出技術を開発

そのためには超微弱なテラヘルツ光であっても効率良く検出する技術が必要なのですが、テラヘルツ光は通常の光と比べて光子エネルギーが1/1000程度しかなく、原理的に高感度検出が難しいという問題がありました。

そこで私は、非線形光学効果という現象を利用してテラヘルツ光を可視光へと変換し、通常の光検出用の半導体を使ってテラヘルツ光を超高感度に検出することに成功しました。この技術を使うと、テラヘルツ光を検出するために一般的に良く使われている焦電検出器に比べて、100万倍高感度にテラヘルツ光を検出することができます。

テーマや研究分野に出会ったきっかけ

もともとは太陽や原子爆弾等がなぜ膨大なエネルギーを発生できるのか?その原理が知りたくて原子核物理に興味が湧き、大学の物理学科に入学し、大学院修士・博士課程でも核融合物理の研究で学位を取得しました。その後も国の研究機関と大学で核融合発電の研究を数年間していたのですが、核融合発電の限界を感じていたことなどもあり・・・研究テーマを変えてみたいと模索する日々が続きました。

現在は縁あって、レーザー光等を使って非線形光学や量子光学の研究をしていますが、こちらの研究も面白い点がたくさんあります。自分の専門だけに固執せず、いろいろな事にチャレンジしようと今でも考えています。(が、現実は忙しくてなかなか思うように行きません。)

開発中の実験光学系の様子。レーザー光と結晶との非線形相互作用を使って、いろいろな研究に取り組んでいます。
開発中の実験光学系の様子。レーザー光と結晶との非線形相互作用を使って、いろいろな研究に取り組んでいます。
先生の研究報告(論文など)を見てみよう

「テラヘルツ光の量子状態生成と量子計測応用の開拓」

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先生の学部・学科は?

石巻専修大学の情報電子工学科ではプログラミングからAI、電気電子回路、半導体エレクトロニクスまで様々な最先端科学を、少人数教育(1研究室当たりの卒研配属は3~4人です)で基礎から深く学ぶことが出来ます。また、基本情報技術者や電気主任技術者などの国家資格取得を目指す学生を集め勉強会を開催し、資格取得へ向けたサポートも行っています。

R5年度の卒研生:少人数教育で1年間みっちりと研究を行います。卒業研究のテーマは私の専門分野に拘らず、本人の興味も考慮して情報やプログラミング、物理、エレクトロニクス分野等から幅広く決めています。
R5年度の卒研生:少人数教育で1年間みっちりと研究を行います。卒業研究のテーマは私の専門分野に拘らず、本人の興味も考慮して情報やプログラミング、物理、エレクトロニクス分野等から幅広く決めています。
先生の研究に挑戦しよう!

中高生におすすめ

虚数の情緒

吉田武(東海教育研究所)

数学や物理学を学ぶことの面白さを、高校生レベルから理解できる希少な書籍だと思います。


チ。―地球の運動について―

魚豊(BIG SPIRITS COMICS)

「真に学ぶこと」とは何か、「自分で考えること」の大切さを改めて考えさせられます。

一問一答
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は?

今だったら量子コンピュータや量子情報通信が学べる学科

Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?

ハワイ。もっと暖かいところで暮らしたい。。。

Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは?

将棋の面白さに最近はまっています。

Q4.好きな言葉は?

ニュートンとかガリレオは、退屈なんてしないさ。


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