学び方を正しく評価し、勉強もスポーツももっと楽しく
毎日勉強する人、しない人
私は「教育工学」という分野で、情報技術を使って、学び方をもっと面白く、効果的にする研究をおこなっています。
学校でのテストや通知表の成績について、皆さんはどう思いますか?点数だけで、本当にその人の学びを表せているでしょうか?
同じ点数でも、毎日コツコツ勉強する人もいれば、テスト直前にがっつり勉強する人もいますよね。あるいは、勉強をしてなくても、たまたまテストで良い得点がとれるときもありますよね。でも、今の学校では、この「学び方」の違いはあまり評価されていません。
学習行動を分析し、学び方のパターンを見つける
そこで、私の研究は、AI(人工知能)を使って、みんなの学習行動を分析し、それぞれの学び方を評価する新しい方法を開発しています。例えば、オンデマンドの講義動画をいつ・どのように見ているか、課題はいつ提出するか、そういったデータから、学び方のパターンを見つけだすんです。
面白いことに、この研究は勉強だけでなく、ドラムの演奏やバスケットボールのドリブルなど、体を動かす技能の学び方にも応用できます。動画やセンサーのデータを手がかりに、動きを時系列でとらえて分析することで、上達につながる動きのパターンを見つけだすことができます。
情報技術で学びの世界を変える
この研究を通じて、学び方を正しく評価してもらえるようになれば、勉強もスポーツももっと楽しくなり、またより良い方向に直していけるはずです。
情報技術の力で、学びの世界を変えていく。それが私の目指すところです。
実は私は、中高生の頃、毎日がんばって勉強していたのに、本番のテストで思うように力を出せないことがあり、悩んだことがありました。だからこそ、この研究には特別な思いがあります。みんなにとって学びがもっと楽しく、やりがいのあるものになればいいなと思っています。
今の研究分野(教育工学)をすることになったきっかけは大学4年生の研究室配属です。実は、「教育工学」にはあまり関心がありませんでしたが、友人に誘われた研究室がこのテーマだったというだけです。当初は「研究する」ということが楽しかったので、自然とこの研究分野についても好きになりました。でも、ふと思えば、小学生の頃は科学者になりたいと思ってましたし、中学生の頃は先生になりたいと思ってました。いつのまにか自分の思った道を進んでいるものです。
「時系列学習データに着目した学習行動分析による多様な学びの評価支援技術」
◆主な業種
(1) ソフトウエア、情報システム開発
(2) ネットサービス/アプリ・コンテンツ
◆主な職種
(1) システムエンジニア
(2) 保守・メインテナンス・維持管理、運用・システムアドミニストレータ・サービスエンジニア
◆学んだことはどう生きる?
ソフトウェア会社に就職する卒業生がほとんどですが、どちらかというと、人(エンドユーザ)を相手にしたソフトウェアの開発を中心とした会社が多いと思います。私のゼミでは、卒業研究で「教育システム(アプリ)」として利用することを想定しているので、アイデアをアプリとして形にしていく過程を学んで、それを活かせていると思います。
一般的な大学では、「研究室」という部屋がゼミ単位で用意されていますが、情報学部棟には「研究室」の概念をなくし、オープンな研究エリアでゼミ活動をするのが特色です。よそのゼミがどのような研究をしているか?何を議論しているのか?ということがわかったり、他のゼミの先生とも接する機会が増えるため、知識が広がったり、新しいアイデアが産まれるきっかけになるでしょう。
選択肢形式のテストシステムのアプリを作ってみるとよいでしょう。ただし、単純に問題をだすのではなく、学習者の解答状況に合わせて難易度や出題順を変えてみたり、選択肢も変えてみるなど工夫を考えてみましょう。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ドイツ。1年間研究滞在した経験があります。 |
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Q2.感動した/印象に残っている映画は? 『カメラを止めるな!』よく考えられていると思います。 |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? 軽音サークル。部長をやってました。 |
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Q4.好きな言葉は? Done is better than perfect. |