リスク情報のビッグデータを、製品の改良や安全対策に活かす
自らの経験から「安全」をテーマに
15年前、日本に留学して経営情報システム専攻の修士課程に入学したとき、私は「子供の安全」という研究テーマを選びました。
小学校教員としての経験、二児の母としての経験から、子供の安全を守るため、情報技術を用いて何ができるか、とことん考えたいと思ったのです。そして、研究者となってからも、ずーっと安全というテーマに取り組んできました。
治療の記録、事故やリコールの情報を解析
私の研究室は「安全データマネジメント研究室」です。
子供に限らず、日常生活を送る空間には様々な危険源があり、年間数万件という事故が起こっています。そして、病院での治療の記録、利用者・メーカから届けられた事故情報、欠陥製品を回収する製品リコールなどの製品リスク情報を解析して、製品の改良や消費者の教育に活用するにはどうすればよいかを考えるのがこの研究室の仕事です。
SNSでリスク情報発信する時代
ソサエティ5.0と呼ばれる時代を迎えて、SNSを通じて消費者自身が製品リスク情報の発信者となるケースも増えています。また、製品自身が情報発信源となるIoT化や人工知能の活用によって新しい製品安全対策の可能性も広がっています。
これらの製品リスク情報ビッグデータ群を最大限に活用して「データに語らせる」こと、「データを紡ぐ」道具としてのデータマネジメントプラットフォームの開発、事故や傷害といった情報の背後にある根源的な構造とは何なのかといった基礎理論研究(これをオントロジーと呼んでいます)に取り組んでいるところです。
「ソサエティー5.0に向けた製品リスク情報オントロジーの開発」
◆主な業種
(1) 自動車・機器
(2) ソフトウエア、情報システム開発
(3) その他
◆主な職種
(1) 品質管理・評価
(2) システムエンジニア
(3) その他
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 哲学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アイルランドだと思います。もっとゆっくりと生活できる雰囲気があります。 |
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Q3.感動した/印象に残っている映画は? 『風と共に去りぬ』 |
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Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 絵を描くこと |