漢方薬はうつ病や不安障害にどう効いているのか
生薬で作る漢方薬はいろいろな成分を含む
私は、漢方薬がうつ病や不安障害などのストレス性精神疾患に治療効果があるのか、また漢方薬の治療効果のメカニズムについての研究を行っています。
漢方薬は、複数の生薬(生薬は、植物・鉱物・動物などの一部を刻んだり乾燥させたりしたものです)が組み合わされた薬剤であり、多くの成分が含まれています。一方、合成薬(西洋医学の治療薬)の多くは単一の成分です。
増加するストレス性精神疾患に使える薬?
近年、うつ病や不安障害などのストレス性精神疾患の患者数が増加しています。しかし合成薬では副作用が生じる例もあり、漢方薬が注目されつつあります。
漢方薬は、単一成分の合成薬とは異なり、薬の効くメカニズムが明らかとなっているものが少なく、科学的な根拠に基づく治療を重視する現代医療において、漢方薬の使用は十分に進んでいません。そこで、漢方薬が、ストレス性精神疾患に治療効果があるかについてモデル細胞やモデル動物を用いて検証し、治療効果のある漢方薬を見つけ出し、その漢方薬の効くメカニズムを調べています。
効くメカニズムを明らかにして適切に使う
効くメカニズムを明らかにすることで、漢方薬の適切な使用を促し、治療効果が高く副作用の少ないストレス性精神疾患の治療に結び付くと考えています。また、漢方薬の効くメカニズムが明らかとなれば、使用の対象となる症状や疾患の範囲を拡大することもできるかもしれません。
中学生や高校生のころに、自分が風邪をひいたときに薬局で渡される薬は、とても小さい粒(錠剤)なのに、この小さい粒がどうして熱を下げたり咳を止めたりすることができるんだろうと疑問に思っていました。この疑問を解決したいと思い薬学部を選びました。
しかし、実際に大学の講義を受けてみると薬の効くメカニズムが明らかになっている薬もありますが、漢方薬をはじめメカニズムが不明な薬や、また病気もその原因が不明であることがあり、薬の効くメカニズムや病気の原因を明らかにしたいと考え大学院に進学しました。
「漢方薬を活用した新規適応障害治療薬開発のための基礎研究」
◆主な業種
(1) 病院・医療
(2) 薬剤・医薬品
◆主な職種
(1) 薬剤師等
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 天文学 |
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Q2.感動した/印象に残っている映画は? 『ビューティフル・マインド』 |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 携帯電話の端末に、お客さんが店頭で申し込んだ料金プランや電話番号の情報を紐づけるアルバイト。 |
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Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 夏は登山をしています。 |