ナノ材料化学

薄膜の電子状態

吸着分子と基板間の電子のやり取りの可視化に成功


二木かおり先生

千葉大学 理学部 化学科(融合理工学府 先進理化学専攻)

出会いの一冊

橋本流解法の大原則(物理)

橋本淳一郎(学研プラス)

物理の基本から丁寧に説明してくれています。私の分野では「量子力学」という学問が基礎になります。電子状態は量子力学で定式化され、それを基に考察を行います。橋本式を基に電磁誘導や単振動の概念が理解されていると、大学入学後より多くの事象を理解することが出来ます。

また、電子や電磁波はsin関数、cos関数を用いて表されます。これらは教科書やチャート式問題集でしっかり理解しましょう。チャート式は、例題解説が丁寧です。例題と演習問題を丁寧に解いていくとよいのではないかと思います。

さらに、文章が理解できる、しっかり記述できる、英語も使える、歴史を知る、心も体も良好に保てるといった力を持つことは、世界をリードする研究するために必須です。皆さんが今、勉強していることは、受験勉強のためだけでなく、何十年も続くあなたの人生を支えてくれます。習ったことは何の役にも立たないという大人の一部は、もしかしたら主体的に考えて学んでこなかったのかもしれませんよ。

こんな研究で世界を変えよう!

吸着分子と基板間の電子のやり取りの可視化に成功

理論・プログラミングを独自開発

電子デバイスに用いられる有機分子薄膜材料は電流を流しますが、その機構は詳細にはわかっていません。我々はその謎を解くため、量子力学に基づいた理論開発と計算機シミュレーションを行っています。

最近、有機分子薄膜とそれらが吸着している板(基板)間の電子のやり取りを、フェムト秒(fs)(1000兆分の1秒)からアト秒(100京分の1秒)という非常に短い時間スケールで観測できる実験装置が開発されました。この装置は、吸着分子と基板間の電子のやり取りを直接観測できる革命的な装置です。

我々のグループは、この装置のデーターからさらに多くの情報を抽出できる理論・プログラミングを開発しました。これにより、時々刻々と変化する吸着誘起分子や基板構造の情報が得られるように、分子ムービを可視化する事に成功しました。

中学の理科で電子に興味

私は初めて中学の理科で「原子は物質の最小単位です」と習ったときに、「原子の中にある電子の役割」に強い興味を持ちました。

大学は電子状態の研究を行っている大阪大学の電子物理科学科に進学しました。途中違うテーマの研究も経験しながらも、現在、当時知りたかったことを毎日研究しています。

新機能をもつ物質デザインへ

私たちは日本国内や海外の優秀な学者と協議を重ねながら理論・プログラムの開発に挑戦し続け、fs時間分解の量子情報から、新機能の源泉となる支配因子を抽出してきました。

これらの成果を基に、物性機能の理解や操作・新物質のデザインを可能とし、省電力化をもたらす電子スピン新物質開発や、カーボンニュートラルサイクルの実用化に向けての指針を作成していきます。

勉強した理論を発展させ、理論開発とプログラミングを行い、未知の電子状態を明らかにします。
勉強した理論を発展させ、理論開発とプログラミングを行い、未知の電子状態を明らかにします。
テーマや研究分野に出会ったきっかけ

中学で電子について非常に興味を持ち、理系を考えるようになりました。私は父が同じ物性系の教授職で、エネルギッシュに研究する研究室の雰囲気や、物事を多面的かつ論理的にとらえる思考にあこがれました。受験勉強はとにかくがむしゃらにやりました。

大学では鈴木直先生が「量子力学」を教えてくださり、その深遠さに触れ、鈴木研究室に入れていただきました。大学院では岡野達雄先生・福谷克之先生の下で「表面科学」の実験をご指導いただきました。

研究室にずっと入り浸って実験したり、みんなでBBQをしたりサッカーをしたりしました。実験は大変なことの連続でしたが、楽しかったです。実験データーの解析や発表を、考えながら数をこなしたことで、その後研究者として生きていく下地ができました。

先生の研究報告(論文など)を見てみよう

「有機半導体の電荷輸送機構に関する理論的研究」

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量子力学、統計力学や電磁気、固体電子論など関連する学問の応用を学びます。
量子力学、統計力学や電磁気、固体電子論など関連する学問の応用を学びます。
学生たちはどんなところに就職?

◆主な業種

(1) コンピュータ、情報通信機器

(2) 電気機械・機器(重電系は除く)

(3) セラミクス、ガラス、炭素

◆主な職種

(1) システムエンジニア

(2) 基礎・応用研究、先行開発

(3) 設計・開発

◆学んだことはどう生きる?

先生の学部・学科は?

他大学とのつながりや海外とのつながりも深いため、多様な研究を深くできるチャンスがあります。全員留学制度と高校2年生修了後入学できる先進制度があります。

先生の研究に挑戦しよう!

中高生におすすめ

世界がもし100人の村だったら

池田 香代子、訳:C.ダグラス・ラミス(マガジンハウス)

日本がどれだけ均等にチャンスが与えられている国かが分かります。

一問一答
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は?

今と同じ電子物性

Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?

一時的にドイツ。100年前から、科学技術をドイツに学んできたから。

Q3.一番聴いている音楽アーティストは?

YUKI「フラッグを立てろ」

Q4.感動した/印象に残っている映画は?

『Life Is Beautiful』


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