電力工学・電力変換・電気機器

次世代電池

安全、長寿命、高容量!次世代電池の材料を開発


春田正和先生

近畿大学 産業理工学部 電気電子工学科

出会いの一冊

60分でわかる!カーボンニュートラル超入門

前田雄大(技術評論社)

カーボンニュートラルを目指した日本と世界の取組み、ビジネスの変化、そして脱炭素実現のための技術等に関して分かりやすくまとめられています。将来、皆さんが豊かな生活を送ることができるように、エネルギー問題や脱炭素について考えるきっかけとなるかもしれません。

こんな研究で世界を変えよう!

安全、長寿命、高容量!次世代電池の材料を開発

スマホのリチウムイオン電池に満足?

スマートフォンやワイヤレスイヤホンなど皆さんの生活に欠かせない機器を動かすためには電池が必要です。その電池にはリチウムイオン電池が使われていて、小型軽量で多くのエネルギーを蓄えることができることが特徴です。

しかしながら、多くの方が電池に対して不満を持っているかもしれません。もっと長持ち(高容量)、劣化しない(長寿命)、すぐに充電できる(高速充電)など電池に対するニーズが高まっています。これらのニーズに応えるべく、私は次世代の蓄電池開発に取り組んでいます。

発火事故が起きてしまった!

リチウムイオン電池は優れた電池ですが危険な一面もあります。ニュースなどでスマートフォンやモバイルバッテリーなどの発火事故を見かけられたことがあるかもしれません。

特に現在普及が進んでいる電気自動車には多数のリチウムイオン電池が搭載されており、発火事故は人命にかかわるため安全性の高い電池が求められています。

従来の電池より高速な充放電

すべての材料が不燃性の固体で構成された全固体電池は安全性に優れ、長寿命であり、高容量化も望めます。しかしながら電池内部でのイオンの流れが悪く、高速充放電ができないという課題から「本当に全固体電池は使い物になるのか?」という疑問さえありました。

そこで私は、電池内部の電極材料と電解質の構造を精密に造り込み、イオンの伝導を制御することで従来のリチウムイオン電池より高速な充放電ができることを明らかにしました。現在、電極と電解質の間にイオン伝導を助ける材料を挟み込むことでさらなる高速充電を目指すとともに、高容量化を実現する新しい電極材料の開発に取り組んでいます。

材料はその組み合わせによってさまざまな性質を表します。皆さんにも材料の可能性、材料を操る楽しみを味わってほしいと思います。

学生が薄膜技術を用いて組成を制御し、電池材料を作製しています。
学生が薄膜技術を用いて組成を制御し、電池材料を作製しています。
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「全固体電池安定動作の要“電解質/電極界面イオン伝導”を操る」

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X線光電子分光装置で電池材料の解析を行っています。
X線光電子分光装置で電池材料の解析を行っています。
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中高生におすすめ

新版 美しい元素

大嶋建一:監修(学研プラス)

きれいな写真とともに元素の特徴、応用例が説明されています。身の回りの”もの”は元素によって構成されており、その組み合わせで様々な性質が現れます。


トコトンやさしい二次電池の本

小山昇、脇原將孝(日刊工業新聞社)

電池の種類や動作原理について簡単に説明されています。スマートフォンの電源から自然エネルギーの有効利用まで私たちの生活に欠かせない電池について知ることができます。


バック・トゥ・ザ・フューチャー

ロバート・ゼメキス(監督)

タイムトラベルをテーマとした約30年前の映画で、未来の技術として空飛ぶ車、ホバーボード、ホログラフィー、スマートグラス、若返り医療などが登場します。小学生のころに観て科学技術の可能性にワクワクさせられました。パート3まで制作されました。

一問一答
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は?

農学

Q2.感動した/印象に残っている映画は?

『ターミネーター』シリーズ

Q3.学生時代に/最近、熱中したゲームは?

『ファイナルファンタジー』シリーズ

Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは?

車、ドライブ


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