The Struggles of a Medical Innovator
William F. House(Createspace Independent Pub)
現在では当然の如く行われている顕微鏡手術ですが、以前は手術を肉眼で行うのが当然とされていました。1950年代、アメリカの耳鼻科医であるウィリアム・ハウス先生が試行錯誤の末、顕微鏡を用いた手術で様々な手術法を考案しました。現在は耳鼻科だけに限らず脳神経外科など他科領域において顕微鏡手術が世界中で広く行われています。
英語になりますが、現在は当然とされる顕微鏡手術が認められるまでの道程がわかりやすく書かれています。顕微鏡手術の父と呼ばれる先生の著書です。
手術以外の治療法も見出したい ~骨を破壊する耳の病気の究明
片耳の聴力を失った経験から
真珠腫性中耳炎は耳にできる病気です。音を伝える耳小骨だけでなく、周囲の骨も壊す病気なので、顔面神経や内耳だけでなく、ときに頭蓋内にも炎症を及ぼす病気です。今のところ、病状が進んでいる場合には手術でしか治すことができません。
自分が医学部の卒業前に手術を受けて片方の聴力を失った経験から、卒業以来ずっと中耳や側頭骨の手術の勉強をしてきました。現在は順天堂大学で手術を行っていますが、手術でしか治せない病気を手術以外でも治しうる方法がないか研究しています。
どうして真珠腫が骨を破壊するのか
真珠腫が発症する原因はわかっていませんが、その原因を解明することができれば、手術以外にも治せる方法が見いだせるかもしれないと考えています。手術で摘出した真珠腫内の幹細胞の特性を調べることにより、どうして真珠腫が骨破壊を来すような病気に進展するのかを究明できればと思っています。
まだまだわからないことだらけで、手術以外の方法で治せる治療法に結び付けられるかはわかりませんが、少しでもより良い医療が実現できればと考えています。
外科医として、手術の腕を磨くことも重視
もちろん、外科医の本分としてもっと良い手術ができるように手術の腕を磨くことが根幹として大事だとも考えています。手術のときは、患者さんが自分の家族だと思って、全身全霊をかけて臨んでいます。また、自分が学んだことを教えることも大切にし、順天堂内にこだわらず国内外で実習指導を行っています。
医学部の5年生のとき、たまたま行った聴力検査の実習で自分に病気が見つかりました。聴神経腫瘍と呼ばれる良性の脳腫瘍でした。当時の耳鼻科教授から、「自分が同じ病気になっても手術をお願いしたい先生に相談する」と言われ、福島孝徳先生の手術を受けました。それ以来、聞こえにかかわる手術を自分の一生のテーマとして、世界の著明な先生の下で研鑽を積んできました。自分の経験を糧にして、より良い治療や手術をできるようになりたいと思ったことが、この研究を始めたきっかけです。
「中耳真珠腫における幹細胞ヘテロジェネイティと病態進展の解析」
◆主な業種
(1) 病院・医療
◆主な職種
(1) 医師・歯科医師
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? イタリア。留学先として2年暮らしていましたが、人生を楽しむ生き方には感銘を受けました。食事も美味しいです。 |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? Official髭男dism 『Subtitle』 |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? ラグビー部 |
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Q4.好きな言葉は? 神は細部に宿る |