自然環境に価格を設定、観光客が支払い環境保全
自然は無料なのか
環境問題は、SDGsの実現の多くに関わり、社会経済分野とも直接的に関わるため、分野横断的かつ多様なステークホルダーが参画しないと解決は難しい問題です。しかしながら、環境問題を乗り越えないと、人類の未来もありません。
森林や自然環境に対する多様な人類のニーズのバランスを取ることは、簡単ではありません。その一つの理由は、自然が生む環境の恵み・価値の多くが長年無料であると考えられてきたため、どんどん失われてきたからです。
環境から恩恵を受けた人が支払う
そこで、一つの解決策として、環境の価値にお金をつけて商品のように取引ができる仕組みや恩恵を受けた人が支払う仕組みが考案されました。例えば、河川の下流の水利用者が上流の土地利用者に対して、水をきれいにすることに対する支払いを行うような仕組みです。
生態系サービスへの支払い(PES)と呼ばれるこの革新的な仕組みは、世界的な関心を引いています。海外では企業などを巻き込んで、観光客やレクリエーション利用者から、環境保全目的のための自主的な支払いをお願いする取り組みも行われています。私も新潟県湯沢町のご協力を得て、同様な社会実験を行っています。
実社会で実験データを取る
実際に社会の人々の参加を得ながら、実験データを取ることもできるという社会実験は、とてもワクワクする手法です。生態系サービスを維持・増進させるための革新的な手法について関心を持たれた方は、是非私の個人のウェブサイトを見てください。
「ツーリズム・レクリエーション利用者による支払いのあり方についての研究」
◆「森林環境税」は環境価値の高い豊かな森をつくる国民協働の契機に(読売オンライン/※リンクは研究室HPより))
◆Corporate Social Responsibility Kyoto-Style: Kyoto Model Forest’s Approach to Collaborative Forest Management(国際モデルフォレストウェブサイト/※リンクは研究室HPより)
◆Progress, plans and potential impact at SINCERE halfway point(SINCERE General Assembly December 2019/※リンクは研究室HPより)
◆「基調報告『生態系サービスビジネス』の黎明 諸外国に拡がる、野生・自然と健康に根差した新たなサービス経済」(フォレスト・サポーターズホームページ/※リンクは研究室HPより)
◆主な業職種
(1)シンクタンクの研究員
(2)国際機関の研究員
(3)メーカーの従業員