巨大なロシアの隣で、小国エストニアはどんな国になったのか
IT産業やIT技術が発達したエストニア
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「人と違うことがしたい」、これが私のモットーです。生まれつきのあまのじゃくな性格もありますが、人と同じ土俵で競争するのは嫌だという怠け者モードから出ている発想です。
エストニアという国を知っていますか。最近はITで有名な国になりました。エストニアでなぜこれほどIT産業やIT技術が発達したのでしょう。
天然資源にも恵まれず、人口も少なくて、隣にあるロシアという大きな国が常ににらみをきかせている。そんな状況と、そしてこのロシア(20世紀中はソ連)の一部だったという歴史が関係しています。
こうした状況や歴史の中で育まれたエストニアの個性は、IT分野以外でも発揮されています。その知られてない国の個性を歴史の中で見つけるのが私の研究です。
権力分有の制度が、小国に存在した
近年、いろいろな分野で「多様性」が求められています。国家は多様な人々から成り立っており、日本も例外ではありません。この多様な人々がうまくやっていくための考え方の一つが権力分有なのですが、これまで注目されていなかったエストニアのような小国に、意外にもその制度があったのです。
歴史学とは、過去について知るだけでなく、現在の社会を別の角度から見直すための材料を実際にあったことの中から見つけ分析する学問だと言えます。
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「権力分有の変遷から描く補完的ヨーロッパ史:エストニア、スペイン、モルドヴァの事例」
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否定と肯定(映画)
ミック・ジャクソン(監督)
映画なのでネタバレになることは書けないのですが、「真実」をいかに証明するかという点で、裁判と歴史研究には共通点と相違点があり、それがこの映画では緊張感をもって描かれています。
共通点は、「真実」を見つけるためには、可能な限りのあらゆる方法で自ら証拠を集めなければならないということです。実話なので登場人物も実在していますが、歴史家のリチャード・エヴァンズが法廷で語るシーンには、「実際にあったことの真偽について私たちは合意できる」という、エヴァンズの歴史家としての信念が感じられるはずです。エヴァンズの『歴史学の擁護 ポストモダニズムとの対話』(晃洋書房)を合わせて読むこともおすすめします。