◆吉川さんはどんな研究をされていますか。

クックパッド株式会社は日本最大の料理レシピ投稿・検索サービスです。そんなクックパッドの裏側にも、サービスを皆さんに常に安心して利用して頂けるように、サービスの信頼性を守り、サーバーの運用を行っているチームがあります (こういったサービスの信頼性を守るためのエンジニアリングを Site Reliability Engineering といいます)。
このような一般企業のチームでも、様々な先進的な技術を取り入れ、学術の分野でも登壇できるような取り組みを、個人やチームといった単位で行っています。こういった先進的な技術を取り入れることで、より皆さんに信頼性の高いサービスを提供できるように日々努力を行っています。
インターネットを利用する裏では、インターネットを構成するための様々なサーバーと呼ばれる機器があり、それを 24 時間 365 日利用できるように運用している人間がいます。
今回の公演では、インターネットの運用技術を機械学習の力を使って自動化するにはどのようにすればよいのか、また、なぜ自動化するのか?運用技術を自動化した先に何があるのか?ということに注目してお話しました。
機械学習の進歩によって、様々な職業の様々な仕事がどんどん自動化されていきます。それを利用する側にとって、なぜ自動化するのか?自動化した先に一体何があるのか?ということを考えるのが、これからの技術者にとっては必要なことになっていくと思います。みなさんもぜひ一度考えてみてください。
◆吉川さんは研究テーマをどのように見つけたのでしょうか。
小さい頃からインターネットゲームにハマったり Web サイトを毎日見るような生活を送っていて、じゃあこのいつもやっているインターネットゲームの裏側はどうなっているんだろう?Web サイトはどのようにして表示されているのだろう?ネットワークはどのようにしてつながっているのだろう?ということに興味を持ち続けた結果、インターネットと運用技術に興味を持つようになりました。
◆この分野に関心を持った高校生がより深く知るための具体的なアドバイスをお願いします。
もはやインターネットは皆さんの日常に深く関わってきているものだと思います。そのインターネットを使う時に、その仕組みがどのようになっているのか?一体何と通信しているのか?そもそも通信とは何なのか?ということを少しでも考えて利用してみると、本当に様々な技術によってインターネットが成り立っていることが少しずつわかってくると思います。そして、その個々の技術はすべて本当によく考えられて作られています。まずはそういったところを少しでも知ってもらうことで、情報工学に関する様々な分野への道が拓けてくると思います。
◆高校時代は、何に熱中していたのでしょうか。
高校時代は本当に毎日本当にインターネットばかりやっていました。自分で小さい Web サイトを作ったのも高校生の時です。インターネットゲームの AI を強くするために Lua でプログラミングをはじめたのも高校生のときでした。勉強をあまりしなくて怒られたこともありますが、今ではあのときの情熱が今の道につながっていたんだなあと感慨深くなります。でももう少し勉強はしておけばよかったなあと思っています。
岩田聡さんのコンテンツ(ほぼ日刊イトイ新聞)
岩田聡・糸井重里 対談まとめ
Nintendo の社長であり、日本でも非常に優れたゲームプログラマであった岩田聡さんと様々なゲームのキャッチコピーを考えたコピーライターの糸井重里さんの対談のまとめです。みなさんがプレイしているゲームや、その元となった構造をイチから作り上げたといっても過言ではない岩田聡さんが、どのような視点で何を行ってきたのか、というのがとてもよくわかる本当に面白い対談です。
仕事のあり方から、インターネットやオープンソースなどについてまで、高校生の方々でもわかるように、平易でわかりやすくかつとても印象的な言葉で綴られています。僕の研究や専門分野に直接の関係があるわけではないですが、世の中の技術者がどういう視点で働いているのか、オープンソースといった昨今の Web 企業にはなくてはならないコミュニティはどのようにして成立しているのか、みなさんがプレイしているゲームはどんな事に気をつけて作られているのか、など幅広い視点で学ぶことができます。
特に、「適切な大きさの問題さえ生まれれば。」という対談では、インターネットや、それを支えるオープンソースとその肝となる構造について、平易な文章でわかりやすく説明されており、また、それをどのように実際の仕事に活かしていくのかというところも書かれており、面白い文章となっています。
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知っておきたかったこと--- What You'll Wish You'd Known
Paul Graham, January 2005
有名なハッカーでありエッセイストであるポール・グレアムがまさに高校生に向けて書いたものです。高校の間に何をすればいいか、どういう考え方でいればいいのか、というのがハッカーの視点から書かれていて面白いです。
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