会計監査とは、企業などの活動や財務の状況が大きな嘘を含むことなくちゃんと示されているかどうかを確かめて、報告することです。現在、大企業はその経済活動の結果や状態をまとめて、「財務諸表」として公開します。経営者や、株主、債権者、取引先、従業員、所轄官庁などの関係者が、その財務諸表を利用して自分たちの行動を決定しています。一方、彼らが、粉飾決算と呼ばれる嘘の情報でだまされ、お金や時間を失うこともあり、会計情報の信頼性を担保する仕組みの一つである監査は、現代社会において重要です。
だれもが会計情報を信頼して利用できるように
私は会計監査論を専門にします。私が研究しているのは、「現代社会における会計監査の役割と限界」です。財務諸表に計上される項目数字は、すべてが確定しているわけではなく、「このぐらい」という見積りで表現される場合があります。例えば時価で動く金融商品などです。しかしその見積りが、経営者の意図的な変更や粉飾決算の後始末として行われる場合があります。そこで見積りと監査に関する事例研究を行っています。この研究が進めば、より有効な監査の実践のために役立ち、ひいては、粉飾決算を減らし、人々が会計情報を信頼して利用できるようになるでしょう。
一般的な傾向は?
- ●主な業種は→金融機関、最近は情報システム系の会社も増えています。数は少ないですが公認会計士試験合格者もいて監査法人で働いています。
- ●主な職種は→一般企業では、総合職、監査法人では専門職
- ●業務の特徴は→営業か経理
分野はどう活かされる?
公認会計士試験合格者であれば、監査法人に就職し、金融商品取引法監査等に関する業務を行っています。
会計学は、現在細分化・専門化が進んでいます。その結果、社会で必要とされる会計実務と会計研究の間にずれが生じています。ただ基本は一緒です。まずは、簿記や会計の基礎をしっかり学び、そこから次の展開が始まります。学ぶべき内容は多く、また一定量の問題演習が必要です。会計学を学ぶ人には、簿記検定を学習の目安にする人がいます。また公認会計士や税理士をめざす人がいます。
専修大学の会計教育は、大正4年(1916年)に専修大学専門部にわが国最初の計理科が設置された時にさかのぼります。その後、100年以上の長い時間が経ちましたが、現在でも、その伝統を引き継ぎ、多くの会計学の教員を抱え、研究や教育に力を入れています。そのような特徴から、全国から公認会計士や税理士を目指して入学する人たちも多いです。