私の研究室では、植物のビタミンCの研究を行っています。植物はビタミンCを豊富に含み、我々ヒトにとって重要であることはよく知られていますが、植物の中でどうやって作られ、どう運ばれ、なぜ豊富に含んでいるのかなど、実はわかっていないことがたくさんあります。私たちは、その謎を遺伝子やタンパク質を使って解明しています。
微細藻類ユーグレナが生産する有用脂質ワックスエステル代謝の謎を解く
植物ビタミンCの他にも、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を使った研究もしています。ユーグレナが生産するワックスエステルは、バイオ燃料としての利用が期待されています。その実用化のためには、代謝調節機構を明らかにし、生産性の向上を図ることが不可欠です。
私たちの研究グループでは、ワックスエステルを生産する嫌気条件や、通常の生育条件である好気条件で処理したユーグレナ細胞から、オミクス解析と呼ばれる発現遺伝子やタンパク質の包括的な解析を進めています。
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「7.生物・バイオ」の「21.分子生物学・細胞生物学・発生生物学、生化学(生理・行動・構造等 基礎生物学も含む)」
一般的な傾向は?
●主な業種は→食品・製薬・化学
分野はどう活かされる?
食品系の研究、製薬の研究・開発・営業に従事しています。
生命科学科では、生物を分子から生態系まで様々な階層からとらえ、最先端の技術を駆使し、生命現象の全体像を解明し、それらをヒトの未来社会に生かすことを目的として教育・研究を行っています。
教育では、生命現象に関する基礎から応用までの多彩な講義・演習プログラムを用意し、柔軟な発想力に基づいて自ら研究を推進する能力、コミュニケーション能力、物事を多面的にとらえて本質を見抜く思考能力などを身につけることができるよう、セミナーや研究指導を行っています。
将来、生命科学の研究・教育に携わることを希望する人、バイオメディカルや機能性食品等の分野で活躍したい人、生態系を複合的に理解して環境問題に対処したいと考えている人など、従来の生物・バイオテクノロジー関連分野の枠を超えた研究や産業の新分野を開拓しようとする人たちに、最適な教育プログラムを提供しています。
生命科学の中でも、植物科学の分野は、CO2削減や温暖化など地球環境問題や食糧問題の解決に期待されている重要な分野です。知れば知るほど、これまでに知らなかった植物の能力に驚き、きっと魅了されると思います。研究は大変で上手くいかないことがよくありますが、それだけに新しい発見をした時の喜びはひとしおです。大学には「身近な謎」を解決するための手段やアイデアがたくさんあります。あなたも一緒に研究を楽しんでみませんか。
【テーマ例】
・光合成によるビタミンCや脂質などの有用物質生産
・植物の環境ストレス応答
サイト「光合成の森」
園池公毅
『光合成とはなにか 生命システムを支える力』(講談社ブルーバックス)などの著作のある、早稲田大学植物生理学研究室の園池公毅先生の運営するサイト。光合成に関する質問を受けつけるQ&Aのコーナー「光合成質問箱」や、講義や日々の生活の紹介する「光合成研究者の生活」などが設けられ、光合成に関してよくわかるウェブサイトになっている。
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