
ヒトの腸内には、多種多様な細菌が生息しています。その数は成人1人当たり40兆個とも言われ、これは私たちの体を作る体細胞数と同程度です。その腸内細菌の代表的なものに、ビフィズス菌があります。また、最近は酪酸産生菌という腸内細菌が我々の健康にとって非常に重要だというデータが多数示されてきています。善玉菌といわれるこれらの腸内細菌は、悪玉菌の増殖を防いだり、腸の蠕動運動を促したり、免疫バランスを整えたりすることで、我々宿主の健康に良い効果をもたらします。
これらの腸内善玉菌の活動は腸の健康だけでなく、脳、腎臓、肺、肌など、様々な臓器の健康に関わってきます。そのため、最近では腸内環境改善からヒトの体全体の健康を考える様々な特定保健用食品や機能性表示食品が発売され、健康増進ブームとともに注目されています。
腸内細菌のオリゴ糖代謝からカカオの発酵まで
オリゴ糖は体に良いと言われますが、実は我々ヒトの体ではオリゴ糖を分解して栄養にすることはできません。オリゴ糖は分解されずに腸まで到達し、腸内細菌の栄養となる難消化性食品成分です。
私は腸内細菌の中でも、特に善玉菌を効率よく増やし活性化することができるオリゴ糖を研究することで、オリゴ糖の本当の機能性というものを明らかにしてきました。腸内細菌を適切に保つことが、健康の秘けつと言えます。現在は、特に腸内における酪酸産生菌と健康維持の関係について研究しています。
またあまり知られていませんが、チョコレートの原料であるカカオは実は発酵食品です。その発酵を研究することで、安全でより美味しいチョコレートの製造に寄与するという研究も行っています。
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一般的な傾向は?
●主な業種は→食品・香料・化粧品のメーカー、原料メーカーなど
●主な職種は→研究、製造、品質管理、営業
分野はどう活かされる?
学生は座学とともに様々な実験や実習を通して基礎的な知識を身につけ、卒業論文でその学びを生かします。また、大学院に進学して高度な技術や専門知識、論理的なものの考え方を習得し、社会に羽ばたく学生もたくさんいます。
これまで、食品においては機能性が重視されてきましたが、近年は様々な社会的背景から安全性への関心が高まっています。食品安全健康学科は、この食品の安全性と機能性の両方を学べる学科です。
食品安全健康学科で、腸内細菌研究を通じて、食品の機能性と安全性について一緒に研究しましょう。

