植物が病気にかかると生長が止まったり、実がならなくなったりします。そのため、病気は作物の生産量を減らしてしまいます。実際、世界の農作物の1割程度は、植物の病気で失われています。
世界人口は、現在の73億人から2050年には97億人以上に増加すると予測されており、世界の食料需要は今後ますます増加すると考えられています。そのため、植物に病気を引き起こす病原菌との戦いに勝利することは、私たち人類にとって重要な課題になっています。
今後、植物の病気の原因を突き止め、その発生メカニズムを明らかにすることを通して、植物を病気から守る方法を研究する「植物保護科学」が世界規模の課題解決に大きな貢献をすると期待されています。
イネいもち病菌を一蹴するシロイヌナズナ
植物にとって病原菌の感染は大きな脅威です。しかし植物は、ほとんどの病原菌の感染に対して強固な抵抗性を示します。ところが、これまで、植物がどのように強い抵抗性を発揮するかについては、謎が多く、研究は困難を極めていました。そこで私は、植物のこの頑強な抵抗性の仕組みの解明に取り組んでいます。
具体的には、シロイヌナズナのイネいもち病菌に対する抵抗性を細胞レベルで研究し、2種類の強い抵抗性があることを見出しました。今後こうした研究が、病気に強い植物の開発につながり、ひいては、農薬をなるべく使わない農業、手間を省く農業につながると期待しています。
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「8.食・農・動植物」の「26.植物科学、育種・作物・園芸」
一般的な傾向は?
●主な業種→公務員
●主な職種→農業関係
植物保護科学関係の研究を行っている教員が複数います。植物の抵抗性にかかわる遺伝子および病原菌の病気にかかわる遺伝子のはたらきについて明らかにし、それら遺伝子を利用することにより、新しい作物を創り出したり、新しい栽培技術の開発に貢献することを目指しています。
病原菌の感染現場では、植物と病原菌が互いにいろいろなアイテムを使用して戦っています。彼らはどんなアイテムを使って戦っているのでしょうか。まだ誰も知らないアイテムを一緒に見つけませんか。
・身近な植物はどんな抵抗性を持っているのかな?調べてみよう!
・植物が置かれている環境も病気に影響するよ。植物が病気にかかりやすい環境条件はあるかな?調べてみよう!