有機化学で食糧問題を解決! 世界にない機能をもつ分子合成に成功
異常気象は農業にダメージ
2023年、日本も世界も過去最高に暑い1年でした。異常気象による水不足(干ばつ)や海水面上昇による農地のダメージ(塩害)は世界中で大きなニュースとなりました。これらの干ばつや塩害は農業にダメージを与え、世界的な食糧問題を引き起こしました。このような大問題を有機化学で解決すべく、研究を進めています。
世界初の分子合成が鍵
解決の糸口は、アミンと呼ばれる分子群(特にポリアミンと第四級アンモニウム塩)です。アミンは古くから知られる分子群ですが、その中には誰も作れない/作ったことがない分子が未だに数多く存在しています。
世界で誰も作ったことがないということは、その真価も知られていないということです。もしあなたが合成した分子が世界を救う機能をもっていたとしたら、ワクワクしませんか?
干ばつと塩害を克服する分子の発見
これは、夢物語ではありません。すでに私たちの研究室では、干ばつや塩害に植物を強くする分子を発見しています。もちろん、この分子一つで問題解決とはいきません。しかし、世界初の分子を合成し、世界初の機能を見つけ出すことに成功しており、私たちの研究は第一歩を踏み出したところです。
有機化学は楽しい
壮大な話をたくさん書きましたが、日々の研究は地道な作業の積み重ねです。仮説をたて、試薬を混ぜ、フラスコを振って、解析をする。そんな毎日を過ごしています。当然、そんなに簡単に世界は変わりません。そして、多くの実験は予想通りには進みません。
つまらなそうに聞こえますか? いえいえ、そんなことはありません。毎日「この分子が合成できたら、世界が変わるかも?」とドキドキしながら過ごしています。そして、ごく稀に予想を超えた結果を見つける時があります。心が震えるような感動の一瞬です。そんな喜びを味わいたくて、毎日研究を行なっています。
名古屋大学にいたとき、同じ研究所の人と飲み会で話したのがきっかけです。「分子の機能を見てみましょう」という出会いが今の研究に繋がっています。高校生のときは研究者は孤高の存在というイメージをもっていましたが、実際にやってみて人との繋がりの大切さに気がつきました。
◆主な業種
(1) 化学/化粧品・繊維・衣料/化学工業製品・石油製品
(2) 薬剤・医薬品
(3) 大学・短大・高専等、教育機関・研究機関
◆主な職種
(1) 基礎・応用研究、先行開発
(2) 大学等研究機関所属の教員・研究者
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 情報学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 雪国育ちなので、常夏のハワイ(米国)に住んでみたいです。 |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? スキーサークル |
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Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 葵祭の行列参加 |