雲の中の乱流をスパコンでシミュレーション。雲成長の謎を探る
雲はどのようにしてできる?
雲の中の雨粒の成長に、乱れた流れがどのように影響するかを研究しています。
私達が普段目にする空の上に浮かぶ雲は、約10μm程度の小さな水滴が集まってできています。エアロゾルと呼ばれるダストなどの微小な粒子を核として、上昇流の中で生成・凝縮成長し、水滴同士の衝突・合体による成長を経て、最後には数mm程度の雨粒として地上に降ってきます。
雨粒の成長を左右する乱流
一方で、雲の中は大小様々な大きさの渦が影響し合うことで複雑に乱れた流れになっています。これを「乱流」と呼びます。乱流によって雲の中の環境に乱れが生じることで、水滴の凝縮や衝突・合体による成長は変化します。
乱流の影響によって雨粒の成長はどのように加速されるのか、またその影響をどのように天気予報などで用いる気象シミュレーションモデルに組み入れればよいのか、未解明の問題が数多く残されています。
水滴ひと粒の運動から気象現象に迫る
私達の研究グループでは、乱流的な雲の中で多数の水滴が凝縮成長したり衝突・合体成長したりする過程を、水滴ひと粒ずつの運動を物理法則に忠実に計算することで、上記の問題の解明を目指しています。
大きさは一辺1m程の小さな領域の中ですが、その中で起こる数十億個の水滴の運動や、大小様々なスケールが入り乱れる複雑な乱流の流れを、スーパーコンピュータを用いた大規模シミュレーションで再現し、雨粒の成長の様子を明らかにします。
私の専門は流体力学という、空気や水などに代表される気体や液体の「流れ」についての物理学です。流体力学を初めて学んだのは大学の学部時代に友人達と取り組んだ自主ゼミでした。
高校物理の力学でおなじみの質点の運動と違って、空気や水の流れを数学的に解析できる点に新鮮さを感じたこと、また地球大気や海の流れなど身近な現象に応用されていることから、興味を持つようになりました。
◆主な業種
(1) 電気機械・機器(重電系は除く)
(2) 電気・ガス・水道・熱供給業
(3) 自動車・機器
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 製造・施工
(3) 品質管理・評価
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 考古学。近年、最先端の測定技術・観測技術や機械学習・人工知能などを活用することで、これまでの学説を覆す新たな発見が次々に報告されており、ニュースでも紹介されています。異なる専門知識・技術を持つ研究者達が協力し、古代の謎を解き明かしていく姿には憧憬の念を抱きます。 |
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Q2.学生時代に/最近、熱中したゲームは? 『カタンの開拓者たち』。2〜6人程度で遊ぶボードゲームです。大学時代に同期の友人達とよく遊んでいました。友人達の方が強くて私は負けてばかりでした。 |
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Q3.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 家族で一緒にいる時です。買い物に行ったり、最近は一緒にゲームをしたりしています。 |
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Q4.好きな言葉は? 「人間は、自分が見たいと欲する現実しか見ない」 |