◆どのような研究ですか
地球上の全ての生命・社会を支える基盤として、地盤は不可欠です。我々は、人間活動に伴い必ず発生する廃棄物・ゴミを、地盤材料として再生する技術や、汚染された地盤を修復する技術を研究しています。それによって自然環境を保全しつつ、人々の生活が豊かになる社会基盤(インフラ)整備が実現できると考えています。
◆その研究が進むと何が良いのでしょうか
例えば、工事中に少し汚れた土や岩石が出てきた場合、汚れているからと捨ててしまえばゴミになりますが、うまく再利用できれば処分しなくて済みます。廃棄物の量を抑制できれば、廃棄物処分場を新しく建設する必要がなくなります。
また、色々な工場やプラントから廃棄物が多く発生していますが、このような廃棄物を「資源」として再利用する技術を確立できれば、自然環境の保全と高度な社会基盤整備の両立に大きく貢献できます。
◆どんな知見が得られましたか
身近にある土は、砂と粘土に大別できます。粘土は水を通しにくく、さらに有害物質を捕らえてくれる機能も持っています。そのため、汚染物質を含む材料を活用する場合に非常に有効で、汚染物質が周囲に漏れ出させないための、重要な役割を果たしていることがわかりました。
人間活動に伴って、大量の廃棄物が生じています。廃棄物を処分できる場所は限られており、持続可能な発展のためには、廃棄物のリサイクル(再生利用)は重要な課題です。また、人間活動に伴う土壌の汚染も深刻な問題です。
この研究室では、人間活動に伴って発生する廃棄物を地盤材料として再生する技術、汚染された地盤を修復する技術、環境負荷の小さいインフラ整備技術の開発を通して、地球環境と共生したインフラストラクチャ(社会基盤)の創造に貢献しています。
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「4.土木・建設・交通」の「12.土木工学(構造・施工、海岸、地盤系)」
土砂や廃棄物に含まれる有害物質(ヒ素、鉛、セシウム、界面活性剤など)の挙動の解明、有害物質の移動を抑制するための技術の開発、巨大災害で発生する災害廃棄物の再利用法の検討、安全で安心な廃棄物処分場構造の考案、土壌汚染や地下水汚染の浄化修復技術の開発など、最終的な目標である「地盤環境保全修復技術の確立」に向けた、様々な個別テーマに取り組んでいます。
実験的なアプローチを中心として研究を進めており、実際の建設現場スケールの大規模な実験に取り組める点が魅力です。また、数値シミュレーションによる研究も行っていて、様々なことに挑戦できる環境です。各研究テーマに関連する現場見学にも出かけ、現場で実際に起こっていることをイメージしながら、研究に取り組むことができます。
◆主な業種
・建設全般(土木・建築・都市)
・電気・ガス・水道・熱器供給業
◆主な職種
・基礎・応用研究・先行開発
・製造・施工
◆学んだことはどう生きる?
建設会社で、地盤環境修復技術の研究開発や、修復工事の施工に従事する卒業生が多い。
工学部地球工学科土木コースでは、全ての必要単位を英語での授業のみで取得できる「国際コース」を学部で唯一有しています。大学院地球環境学舎でも、英語による授業が中心です。
地球環境学舎ではさらに、修士課程の学生全員に国内外での3ヶ月以上のインターンシップを課すなど、高度な実務者の養成にも注力しています。間違いなく、地盤環境分野で世界をリードする研究者・実務者を目指すことができます。
Q1.大学時代の部活・サークルは? オーケストラ |
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Q2.研究以外で楽しいことは? 読書(塩野七生さんの『ローマ人の物語』。もうすぐ読み終わります。) |