いまだ不十分な特別支援学校の幼児児童生徒への防災対策
障害者権利条約の順守を
日本は自然災害が発生しやすい国であるとされており、過去20年においても、阪神・淡路大震災(H7)、新潟中越地震(H16)、東日本大震災(H23)、熊本震災(H28)等の巨大地震に起因した大きな被害が出ています。
そうした中、障害者権利条約批准に伴って、学校教育においても、障害のある児童生徒の教育権を保障するための合理的配慮の提供と、その提供を行うための基礎的環境整備の充実が求められています。
このことに関わって、文部科学省が示した合理的配慮11項目のうち2項目は災害時等にかかわる項目となっています。しかし、特別支援学校は小中高校よりも個別性が高いことや学校数が全体に占める率が低いこともあってか、その具体的な方策の検討が十分ではありません。
支援体制、施設・設備の現状を明確にしたい
そうした状況を踏まえ、本研究では、まず、特別支援学校における災害発生時の児童生徒への支援体制、施設・設備等の現状を明らかにすることに取り組んでいます。
そして、その現状を踏まえ、今後、特別支援学校が防災対策として、合理的配慮を完遂するための支援体制、施設・設備に関する基礎的環境整備を検討・実施する際のポイントを明確にすることを目的としています。
「特別支援学校の防災対策における合理的配慮と基礎的環境整備に関する調査研究」