大事にしたい!英語でコミュニケーションしたい気持ち!
伝えたいことがあるから言葉を使う
Willingness to Communicateとは、「コミュニケーションを図ろうとする意思」になります。私たちは母語を獲得してきましたが、実は、言葉が最初にあったのではなく、コミュニケーションしたい気持ちが先にあります。
つまり、何か伝えたいことがあるから言葉を使うのです。これは乳児を見ればわかります。不快な思いをすれば、「泣く」というコミュニケーション手段を使います。また、伝えたいことがあれば「指さし」を行います。言葉が出る前から、ヒトはコミュニケーションを図ろうとします。
外国に興味があるほど、コミュニケーションを図ろうとする気持ちがある
元々、このWillingness to Communicate(以下WTC)は、第一言語において開発された考え方であり、それを第二言語環境下で応用させ、発展させたものが現在の形になっています。そして周りに第二言語の環境がある所では、コミュニティへの関心が高い人ほど、WTCは高くなるという研究データがあります。
しかし日本は第二言語使用の環境下はありません。そこで、関西大学の八島智子教授は、「国際的志向性」という概念を用いて、第二言語環境下でない国では、「外国に興味を持つ」「身近に外国人がいたら親切にしてあげたい」等という項目を設け調査しています。その結果、国際的志向性が高い人は、WTCが高いという調査結果を発表しています。
教師のWTCに注目
実際、中・高校の授業においても、「英語学力」に加え「コミュニケーションを図ろうとする態度」が重要視されています。つまり、「英語力」と「コミュニケーションを図ろうとする態度」は、どちらが欠けてもうまく動かない自転車の両輪みたいな関係と言えるでしょう。
私の研究では、2020年度から始まった小学校外国語教育で、小学生に対してのWTCの調査は、千葉大学の物井尚子准教授により既に行われていますので、肝心の教師のWTCはどうなのだろうか、ということから、調査研究をしているところです。
「小学校教員を対象としたWillingness to Communicateの研究」