聴覚障害は勉強が苦手になる原因なのか
「勉強はできないよりはできた方が良い」
現在取り組んでいる研究は、「勉強はできないよりはできた方が良い」「同じ勉強をするなら楽しく学べた方が良い」との考えからスタートしています。皆さんも「勉強は一生懸命がんばればできるようになる」と言われていませんか。
中学・高校時代は小学校の先生になろうと思い、教員養成課程がある教育学部に進学しました。大学では小学校の先生になるための勉強が中心でしたが、自分の弟が知的障害者ということもあり、特別支援学校の教員免許も取得しました。
勉強が苦手な理由は不明
大学卒業後最初に教員として勤めたのが、聴覚障害の子どもたちが学ぶ特別支援学校の小学部でした。そこで聴覚障害の子どもたちに小学校と同じ内容を教えたのですが、子どもたちの中には勉強ができる子もいれば、勉強が苦手な子もいました。
教員になる以前から、耳が聞こえない・聞こえにくいことで、教科書や本のことばや文章を読んで知識を身につけたり考えたりすることが、勉強の苦手な原因だとされていましたが、理由はわかっていませんでした。
読む力と学習の到達度の関係を調査
その経験をもとに、ことばや文章を読む力が、学習の到達度はどんな関係にあるのか、小学校に通う子どもたちと聴覚障害の子どもたちの読む力は同じなのか違うのかを、全国の聴覚障害の子どもたちと、その先生方や他の大学の先生の協力で調べています。
勉強が苦手な原因が解明されれば、すべての子どもが生涯にわたって楽しく学び続ける日が来ると思い、研究に取り組んでいます。
障害の有無にかかわらず、すべての子どもが楽しく学ぶためには、学び難さの原因を探り、これまでの我が国の学校教育の指導や支援では上手くいかなかった子どもたちのことをしっかり見つめ直すことが必要な時期に来ていると考えます。
そのためには、これまでの特別支援教育における指導方法の固定概念を真摯に見つめ直し、一人一人の子どもに合った指導・支援を再構築することが重要だと思います。特に、障害によって学び難さを抱える子どもたちの今後の社会参加や生涯学習の基盤となる学習言語の獲得と活用に関する支援は、障害者自らが未来を切り開くために必要不可欠な取り組みだと考えます。
「学齢聴覚障害児の日本語読み能力・学習到達度の評価と読解力向上指導プログラムの開発」
自分の専門領域の内容だけではなく、自分の興味・関心を広げ、同じことを学ぶならば自ら進んで楽しく学びましょう。楽しく学ぶことは最大の目標です。そのためには、いろいろな分野や領域の人とのつながりをもつことが大切です。勉強だけではなく、遊ぶ時は一生懸命遊ぶこと、といった話をしています。
◆主な仕事
小・中学校、高等学校、専修学校・各種学校等の教員
◆学んだことはどう生きる?
障害の種類にかかわらず特別支援学校の教員として、特別支援教育の最前線で活躍しています。大学卒業後も関連する学会や研究会などに参加し、自らの学びを深め、子どもたちの学びを支える教員としてのキャリアを着実に発展させています。
特別支援学校の聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱の4領域について学ぶことができ、重複障害や学習障害・発達障害に関する領域についても学ぶことができます。これからのインクルーシブな教育制度での障害支援や学習支援なども視野に入れた、広い学びが特色です。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ニュージーランド。豊かな自然と自然を活用した様々なアクティビティが共存しているから。バンジージャンプとヘリスキー最高です! |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? GLAY。『SAY YOUR DREAM』がお気に入りです。 |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? バイク屋さんの店番 |
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Q4.研究以外で楽しいことは? Jリーグ・名古屋グランパスのサポーターとして、トップチームとユースの試合へ遠征すること。 |
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Q5.会ってみたい有名人は? すでに会ったことはありますが、ドラガン・ストイコビッチです。 |