戦後日本経済史
野口悠紀雄(東洋経済新報社)
東京大学工学部で応用物理を学び、大蔵省(現在の財務省)に入省した著者による戦後の経済史です。法学部卒が大半を占める大蔵省の「変わり種」として採用され、一橋大学教授、東京大学教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授を務めた経済学の泰斗の著作です。
自分の体験を踏まえた記述でわかりやすく、世界一の経済大国まで上り詰めた日本が、どうして伸び悩み、長期停滞から脱出できなかったのかが明らかにされています。そしてこれからの日本経済の新しい可能性を見出すために、企業活動や政府の施策、財政資金の投入はどうあるべきかを示していて、わくわくしながら読み進めることができます。
日本は借金大国 政府の財政資金の使われ方は適切か
国や地方自治体の経済活動=「財政」
サラリーマンは働いて給料をもらい、生活費や娯楽などにお金を使います。国や地方自治体も同じです。国民から税金を集めて財源を確保し、年金や医療、防衛などのために予算を支出します。国や地方自治体が行うこうした経済活動が「財政」です。
財政政策は国や地方自治体が使うお金がどのように使われているのか、いかに配分すれば国民生活の安全・安心を確保できるかを研究する学問です。
他国が成長するのに、日本は「失われた30年」に
戦後の日本は世界でも類を見ない発展を遂げてきました。荒廃した国土を整備し、経済を発展させ、社会保障制度を整えるためにさまざまな政策を行ってきました。裏で支えたのが「財政」資金です。
1990年頃のバブル景気崩壊後は支出が膨らむ一方、税収は伸びないで借金が増えるばかりです。他国が成長するのに日本だけが取り残された「失われた30年」に入りました。
景気対策は有効に働かず、借金が増大
バブル崩壊後は長い不況に苦しみました。様々な景気対策が有効に働かなかったのです。近年は「異次元」と言われるほどの経済政策を行ってきました。新型ウイルス感染症の拡大(コロナ禍)に対応するために1人10万円の現金を配るという大盤振る舞いも行いました。借金は増大して世界一の借金大国になっています。企業や個人なら完全に破綻・破産しています。日本の国はこのままで大丈夫なのでしょうか。
財政政策の研究では政治や政府のお金の使い方を検証します。その上で将来に向けて、政府の施策や配分された予算が適切なのか、どうすればみんなが豊かで生き生きとした生活ができるのかを明らかにします。
長い間国会で働く国家公務員として、政治の第一線の現場に身を置いてきました。参議院予算委員会で経済や財政、金融の議論をつぶさに見てきて、こうした財政資金の使い方が適切なのかを考えるようになったことが、研究を始めたきっかけです。
元々、高校の授業で、「日本では政治に対する信頼が低く、税金がムダに使われていると思われている。税の不公平感は米国・独立戦争のきっかけにもなった」と学び、戦争にまで発展する税財政のあり方には関心がありました。
◆主な業種
(1) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
(2) 金融・保険・証券・ファイナンシャル
(3) 商社・卸・輸入
◆主な職種
(1) 営業、営業企画、事業統括
(2) 事業推進・企画、経営企画
(3) サービス・販売系業務(店長・マネージャーも含む)
「事件は現場で起こっている」。映画『踊る大捜査線』で織田裕二が演じる青島刑事が叫んだ有名なセリフです。現場主義やリアルな状況の重要性を端的に示す言葉です。「真実は現場にあり」です。経済学や法律学は社会で実際に起きている現象を解明し、社会をよくするための方策を考える学問です。本学部には国や地方の公務員、会計の実務家としての経験を持つ教員も多く、「現場」の実体を踏まえた研究を行うことができます。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 心理学 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? イギリス。自分が好きな金管バンドの発祥の地で、外国人の友人の中で最も多いのがイギリス人だから。 |
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| Q3.一番聴いている音楽アーティストは? KAN 「愛は勝つ」 |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 金管楽器の演奏(テナーホーン) |
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| Q5.好きな言葉は? やるのなら徹底的に。中途半端にやるのなら、やらない方がいい。 |

