従来より1/100程度と劇的に小さい放射線療法の装置開発
理想的ながんの放射線療法
近年、がんの治療方法として、ホウ素中性子補足療法(BNCT)が注目されています。この方法は、条件さえ整えば、がん細胞のみを選択的に死滅させ、正常細胞にほとんど影響を与えない、理想的ながんの放射線療法です。
しかし、この方法では中性子を発生させるために、高電圧(1~30 MV)を発生できる大型の加速器が必要となります。加速器の設置面積は中学校や高校の教室一部屋分の広さが必要となります。
低電圧で中性子を発生できる
私は焦電性結晶という特殊な結晶を使用した小型放射線源の開発を行ってきました。1立方センチメートル程度の焦電性結晶を真空中(1~1/1000 Pa;1気圧=101,300 Pa)で加熱・冷却すると、10万ボルト(0.1 MV)程度の電圧を発生させることができます。この電圧を利用して電子を加速させると電子ビームが得られ、この電子ビームを金属に衝突させるとX線が発生します。
また、イオンを加速させるとイオンビームの発生が可能で、重水素イオンビームを重水素ターゲットに衝突させることで核融合反応を起こし、中性子を発生させることもできます。
この方法では、従来の方法に比べ1/10~1/100程度の低電圧で中性子を発生することが可能で、これをBNCTに適用できないかと思い、中性子の発生実験を始めました。
焦電性結晶を用いた装置は、学習机程度の広さがあれば設置でき、従来の装置と比較して装置の大きさが1/100程度と劇的に小さくできるため、将来、BNCTの普及に貢献できればと思って研究を進めています。
大学院では小型加速器の開発研究に従事していました。従来よりは小型の加速器でしたが、直径1メートル、高さ2メートル程度と、かなり大きなものでした。そのころからもっと小さな加速器はできないだろうかと思っていました。
就職してしばらくして、指先ほどの焦電性結晶によるX線発生装置が販売されていることを知り、これを利用すれば小さな加速器ができるかもしれないと思って、焦電性結晶による放射線源の開発研究を始めました。
「低エネルギー加速によるBNCT用中性子源の開発」
◆ 花元研究室HP
◆主な業種
(1) 病院・医療
◆主な職種
(1) その他医療系専門職(診療放射線技師)
| Q1.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 内装のアルバイトを3年間ほどやっていました。壁紙やカーペットを張ったり、大工仕事をしたり、いろいろな工事をしていたので、家の内装工事はほとんどできます。その技術と知識は研究にも役立っています。 |
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| Q2.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? ピアノを弾くこと。子供がピアノを習っているので買いました。しかし、子供はほとんど練習せず、いつの間にか私がメインで練習するようになって何曲か弾けるようになりました。弾けるようになると楽しいです。 |
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| Q3.好きな言葉は? ゆっくり急げ。時間がなくて急いで行わなければならいことでも、あせらず着実に実行することが近道です。 |

