里山の維持が困難な今、民家を存続させるには
伝統的な住宅建築である民家が失われる
わが国の社会的な課題として、少子高齢化や地方の過疎化は深刻な問題であり、出生率や地域格差の現状を踏まえれば、今後ますます顕著になることは容易に想像できるでしょう。その影響は伝統的な住宅建築である民家の存亡にも大きく関わります。山間農村地域に残る民家の住まい手は多くが高齢で、後継者のないまま空き家となり、解体に至ることもしばしばです。
自然と人工が適度に融合した里山は循環型社会
持続可能な社会を手に入れることは、世界規模で共通する普遍的な目標の一つです。バランスの取れた循環型社会を想像したとき、伝統的な里山の暮らしは多くの気づきを与えてくれます。
里山とは、人の暮らしがある「里」と自然が広がる「山」が一体となった環境を意味します。つまり、民家を中心に田畑や雑木林が存在し、人の営みが周辺の自然に対して回復力を超えて負荷をかけることはなく、自然と人工が適度に融合した世界が構築されています。里山は決して純粋な自然ではなく、人の手で作り出された人工的な自然である点に意義があります。私たちの祖先は、里山における暮らしを通じて完結した循環型の全体系を生み出すことに成功していたのです。
民家は、里山の物質循環の中にある
里山の中心にある民家も、物質循環の中に位置付けることができます。民家は里山から採取される木・竹・土・草などを材料として作られます。数十年から数百年の年月を経て、民家としての役割を終えれば、それらは再び自然に還ることができるのです。
したがって、単に民家というものを保存すれば良いということではありません。里山に存在する自然と一体的に捉え、相互関係性を維持してこそ初めて民家の本質的な部分を継承することに繋がります。一方で、ライフスタイルが大きく変化している現代において、里山を本来の姿で維持することは困難です。時代の制約を乗り越え、本当の意味で民家の存続を実現させるための研究を行っています。
こどもの頃、東京ディズニーランドがとても好きでした。なんて美しい世界なのだろうと思っていました。帰り道の夜の首都高速道路も好きでした。光が煌めいて、車窓を流れる景色に見惚れていました。けれども、一夜明けて昼間になって、現実の世界を目の当たりにして、日常に戻ると、なんて醜い世界に暮らしているのだろうとがっかりしました。日常の世界を美しくしたいと思って、建築を勉強し始めました。
「中近世東国における大工棟梁の建築生産史的研究(他の研究も見られます)」
◆主な業種
(1) 建設全般(土木・建築・都市)
◆主な職種
(1) 生産管理・施工管理
◆学んだことはどう生きる?
例えば、世界遺産には多くの建造物が登録されています。歴史的に価値のある文化財には、建築の分野が大きく関わっています。つまり、文化財建造物を新たに選定したり、あるいは維持管理したりする専門家が存在し、仕事に従事しているということです。そのような専門家は建築史の分野で教育を受け学問を修めた経歴の持ち主であることが一般的です。
建築史研究室では、民家の修復を実践しています。いわゆる古民家はまだまだたくさん残っていますが、地方の高齢化や過疎化が進み、空き家となって解体される事例も少なくありません。いま行動を起こさないと、古民家は全て消えてなくなってしまうかも知れません。研究室では、そのような古民家を修復し、再生させる取り組みを行っています。活動の様子をSNSで公開していますのでぜひご覧ください。
家のルーツを探ってみましょう。家とはもちろん建物を意味しますが、それだけではなく、家族となる集団も意味します。家の歴史を調べるということは、建物の歴史を調べると同時に、先祖のことについて調べることでもあります。家はいつ建てられたのか、家を建てたのは誰なのか、自分のルーツを辿ることになり、思い掛けない事実が判明するかもしれません。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 美術史学 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? フランス:風景が美しいから |
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| Q3.大学時代の部活・サークルは? 建築を見学するサークル |

