たった1つのセンサで、エレベータ全体の揺れがわかる高コスパ技術
巨大なものをどう測定するか
物の状態を測定する道具には色々なものがあります。野球でボールの速度を測定するスピードガン、カメラからの距離を測定するモーションキャプチャなんてものもありますね。
通常、物の状態を測定しようと思った場合、その物に向けて道具を使います。ただ、その物がとっても大きかったり、すごく暗いところにあったり、すごく狭いところにあったりしたらどうでしょうか。そういったうまく見えない物がどうなっているかを、透視能力のようにズバリ当ててしまったらすごくないでしょうか。
ちょっとだけ見て、全体を透視する
私の研究は、「物の縁をちょっとだけ見て、全体を透視する」ことを可能にしました。
“いくつかの情報”から、見えない物を推定する技術はもちろんすでに存在していましたが、私の提案した新しい技術は、“たった1つ”の距離を測るセンサ(数十センチの距離が測れる低性能なもの)があれば、200mほどあるエレベータのワイヤロープ全体がどんなふうに揺れているかを当てることができる、高コスパ技術になります。
地震時の揺れがわかる
必要なのはセンサ1つとワイヤロープの長さ情報だけです。ワイヤロープがどんな素材でも使えます。この技術は、地震が起きたときにその性能を発揮します。この技術があれば、地震によってエレベータがどんなふうに揺れているかわかるのです。すごくないですか。
極端に単純に、そして大胆に簡略化して物事を見たとき、見えていなかったもの、その物事の性質・本質が見えてくることがあります。そんな体験も研究の醍醐味です。
みなさんも目の前の現象を単純な数式で表して、解明していきませんか。
出身大学での学科はシステムデザイン工学科(機械、情報、建築などの分野を横断的に学ぶ学科)で、最初に就職した学科は海洋土木工学科でした。そして今、機械科にいます。
もちろんスタート地点が適切であればあるほど効率は良いと思いますが、それで人生が決まるものでもないみたいですね。現在に至るまで学科・分野のこだわりはなく、常に前向きに、チャンスがあったらとりあえず飛びついて、興味の向いたものを興味のままに取り組んでいます。
「1つの変位センサで完結する、重量物牽引ワイヤロープのリアルタイム状態推定器の開発」
◆主な業種
(1) 一般機械・機器、産業機械(工作機械・建設機械等)等
(2) 電気機械・機器(重電系は除く)
(3) 鉄鋼
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) システムエンジニア
(3) 生産技術(プラント系以外)
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 機械(18才当時は建築を学びたくて大学に行きました) |
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| Q2.学生時代に/最近、熱中したゲームは? ドラゴンクエスト |
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| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 大学の図書館の書架整理 |
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| Q4.好きな言葉は? いいじゃん! |

