機械学習を利用し、セラミックス複合材料の損傷を予測する
軽量かつ耐熱性に優れた材料
私は、繊維素材とセラミックス材料を組み合わせたCMCと呼ばれる複合材料の研究開発を行っています。CMCは1400℃の耐熱性を持ち、重さは金属や合金に比べて半分以下です。軽量かつ耐熱性に優れた材料として航空機用ジェットエンジンの部品に使うことができれば、エンジンを現在よりも高温で利用でき、CO2やNox排出量を減らすことができます。
材料の信頼性をどのように保証するか
セラミックス材料はみなさんの身の回りで使われているガラスや陶磁器と同じく、耐熱性も強度も高い一方、割れやすい材料です。この原因は小さな穴(欠陥)や傷が存在すると強い力が働いて、一瞬でき裂が進んで破壊するためです。
CMCにすれば、き裂が進むのを防ぎ材料の中に蓄積することができます。私はCMCそのものの開発、破壊現象の解明に取り組んできましたが、エンジンメーカーなど、ユーザーと一緒に研究をする過程で、材料中に小さな傷や欠陥が発生する厄介極まりない材料の信頼性をどのように保証するかを考えなければ、実用化は難しいのではないかと考えるようになりました。
科学的根拠に基づく判断基準が必要
新しい材料だからこそ、これまでとは異なる判断基準が必要であり、その基準は科学的根拠に基づいている必要があります。
現在、この問題に対し材料内部の三次元構造を徹底的に観察し数値化すること、破壊中に生じた損傷を数値化すること、データに対し機械学習をはじめとする情報科学的アプローチを用い解決することを目指しています。予測するだけでなく、予測した根拠も可視化できれば、材料中のどのような構造や生じた損傷が危険かを自動判別できるようになるのではないかと考えています。
「機械学習によるセラミックス複合材料の信頼性保証とその場トモグラフィー計測の援用」
◆主な業種
(1) その他の輸送用機械・機器(自動車・船・航空機・鉄道以外)
(2) 航空機・航空機器
(3) 自動車・機器
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 基礎・応用研究、先行開発
(3) 生産技術(プラント系以外)
◆学んだことはどう生きる?
自動車、重工をはじめとする製造業に進路を決める学生が半数を占めます。最近ではコンサル、IT、インフラ、建設に加えて、公的研究機関への就職や起業など進路も多様化しています。工学部機械工学科には学生数を超える求人をいただいており、社会的にも評価が高いと思います。

