砂漠で水素!? 空気中の水蒸気を原料とする新しい水電解システム
水や二酸化炭素から「水素」や「炭素資源」を生成
自然界では、水と二酸化炭素から光を利用して光合成によりエネルギー源となるグルコース(ブドウ糖)を生成しています。私たちの研究では、太陽光などの再生可能エネルギー由来の電気を利用して水や二酸化炭素から、エネルギー源となる「水素」や化学原料となる一酸化炭素やエチレンなどの「炭素資源」を生成する技術を開発しています。
水や二酸化炭素は極めて安定な(=反応しにくい)物質なので、これらに電気を流すだけでは目的物は得られません。そのため、これらの反応に必要となるエネルギーを低減する(=反応しやすくする)電極触媒が必要です。私たちは、これらを可能とする触媒開発をしており、特に安価で埋蔵量の多い非貴金属元素を複数含む複合酸化物に焦点を当て、独自に開発した手法で数ナノメートル(1 ナノメートルは10億分の1メートル)の粒子や薄膜にすることで、高い活性と選択性を示す電極触媒を開発しています。
空気中の湿気を水素に
また最近では、大気中の水蒸気を原料とする新しい水電解システムの開発も進めています。
太陽光が豊富に降り注ぐ砂漠などの乾燥地で発電し、その電気で水を電気分解し二酸化炭素を排出せずに水素を得る方法が考えられていますが、乾燥地には生活用水にすらアクセスできない地域が多数あります。
一方、乾燥地でも相対湿度30%以上の水蒸気が大気に含まれており、海岸沿いの砂漠(海岸砂漠)の場合湿度が80%を超える場合もあります。そこでこの水蒸気を吸湿し、電解する新たな水電解システムを独自に考案し、その高効率効率を目指して研究を進めています。
もともと太陽光エネルギーに興味があり大学を選びました。学部2年生のときに半年間、週1回研究室で実験をして最後に発表する講義を受講したのですが、その時に出会ったのが光を当てると水から水素が生成できる光触媒でした。その後、色々と研究を進めるうちに太陽光発電で電気を作り、その電気を用いる電極触媒により水電解や二酸化炭素電解を行う、という今の研究に至っています。
「結晶性複合酸化物の量子ナノ構造体を基軸とした人工光合成助触媒の創製」
◆主な業種
(1) セラミクス、ガラス、炭素
(2) その他の材料・製品
(3) 化学/化粧品・繊維・衣料/化学工業製品・石油製品
◆主な職種
(1) 設計・開発
(2) 生産技術(プラント系)
(3) 基礎・応用研究、先行開発
◆学んだことはどう生きる?
無機材料メーカーや化学プラントで活躍している卒業生が多いです。一般的に研究室で研究していた内容をそのまま仕事に活かせることは稀であり、運よく関係する分野の研究・開発に携われても数年で他の業務に異動することがが日常茶飯事です。そのため、研究室にいる間は専門性を高めることはもちろんですが、物事の本質をよく考え、理解し、課題解決に向けて計画を練る力を育てており、それらの力はどのような業務でも活かせていると思います。
私が所属する工学部化学バイオ系学科では、学部1年時に共通の講義を受け、2年に進級する際に化学系とバイオ系それぞれ3プログラムから好きなプログラムを選ぶことができます。また鳥取大学には、世界的にも有名で日本で唯一の乾燥地研究に特化した国際乾燥地研究センターがあり、乾燥地の環境が再現可能な施設もあります。今後ますます重要となる太陽光などの再エネは、乾燥地の方が有利な点が多く乾燥地利用も含めた研究ができる国内唯一の大学です。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? デザイン工学 |
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| Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? カナダ:特に田舎は治安もよく、マイナス20℃を下回る真冬は別世界でワクワクするから(博士課程のときに3カ月留学していました) |
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| Q3.感動した/印象に残っている映画は? バック・トゥ・ザ・フューチャー |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 子育て |

