経済政策

政府債務

財政再建のためにどのような歳出削減や税制改正が有効か検証


平賀一希先生

名古屋市立大学 経済学部(経済学研究科 経済学専攻)

出会いの一冊

日本国債

幸田真音(講談社文庫)

経済小説でフィクションではあるのですが、財政危機を迎えることによって、金融市場や経済全体にどのような影響を与えるのかを理解することができる本だと思います。私が財政再建に関心を持って理由の一つは、本著を学生時代に読んだことにあります。

政府債務の持続可能性や財政再建に関しては、様々な主義主張が議論されていますが、財政危機への懸念が強くなる場合に何が起こりうるかを知っておくことで、日本経済や財政に関する関心や問題意識を深めることができます。

こんな研究で世界を変えよう!

財政再建のためにどのような歳出削減や税制改正が有効か検証

政府債務は1400兆円超え 日本の財政状況は深刻

ニュースや新聞、もしくは学校の授業で日本の財政状況が深刻な状況であるということを聞いたことがあるかもしれません。国や地方自治体などが発行している政府債務は1400兆円を超え、対GDPでみても約2.5倍の水準にあります。この原因は、コロナ禍における政府支出増に伴う財政赤字が急増した影響もありますが、主な原因としては高齢化による社会保障費増にあります。

政府債務が持続可能であるということは、貸し手側の立場から見ると、「貸した金の元本と利子がきちんと返ってくる」ということを意味します。政府債務に置き換えると、現在から将来にかけての基礎的財政収支(プライマリーバランスとも呼ばれ、税収から政府債務返済分を除いた歳出額)の合計額(厳密には将来の基礎的財政収支については現在価値に割り引いたもの)になります。

政府の施策が、消費者や企業にどれだけの恩恵をもたらすか

私の研究では、財政再建の手段として、歳出削減や税制改正が消費者や企業、マクロ経済全体に与える影響について、動学的一般均衡モデルと呼ばれる理論モデルを用いて分析しています。経済現象を論理的に説明するために、消費者や企業がそれぞれの目的を長期的に最適化して行動すると仮定した上で、経済全体の市場(財・労働・資金市場)の需要と供給が一致する状況を考えています。

そのモデルの中で、政府が課税や政府支出、政府債務を発行することで、消費者や企業の行動にどのように影響を与え、かつそれぞれにどれだけの恩恵(損失)をもたらすのかを分析することができます。

特に、政府債務を持続可能な状態にするために、どのように税制変更を行い、政府支出の項目を変化させるのかを検証することが、研究的関心にとどまらず、現実の財政制度を改善するための一助となりうることにやりがいを感じております。

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