経済学で、誰もが安心して取引できる仕組みを考える
返品費用は誰がどれだけ負担?
皆さんは通販等で「買ってみたがサイズが合わなかった」「同じ本をうっかり二冊買ってしまった」というような経験はありませんか。そんな時、無条件に返品や交換ができれば安心ですが、発生した送料や手数料等の費用を「誰がどれだけ負担するのか」は消費者や販売者の行動に大きく影響を及ぼします。
販売者と消費者 どちらをどう守るかのバランス
私は経済学の立場から「特に判断力が十分でない消費者」を守るにはどうすればよいのかを研究しています。
たとえば、高齢者や障がいのある方が契約内容をよく理解しないまま契約をしてしまったとします。しかし、取消費用を負担しなくてもよければ、「とりあえず買ってから返品」や「契約したがすぐ解約」等のケースが増え、販売者はそのような消費者との取引を敬遠するかもしれません。逆に消費者への取消費用の負担を重くしすぎると、判断力が十分でない消費者が守られません。このバランスが難しいのです。
契約前の手間=予防費用をかける
契約前に「販売者がわかりやすく説明する努力」や「消費者が理解する努力」をすればトラブルは減るはずです。こうした手間を予防費用と呼びますが、「相手がやるなら自分は手を抜く」というような“ただ乗り”が起きやすく、十分に行われていないのが現状です。私は「取消費用」と「予防費用」をどう分担するのが最適か、法律や裁判のあり方も踏まえて数理モデルで分析しています。
誰もが安心して取引できる社会をどう作るか。社会全体を良くするための仕組みを考えたいと思っています。
もともと音楽や本の著作権を研究していましたが、アメリカで自閉症の子どもがネット通販で大量に商品を購入し、返品できなかったというニュースに衝撃を受け、この分野に関心を持ちました。高齢化が進む社会で同じような問題が増えるのではと考え、研究に取り組むようになりました。
「インクルーシブ社会に向けた消費者保護法制の経済分析」
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 英語と数学です。どちらも、もっとしっかりやっておけば、色々今できることが増えたのになあ、と思ってしまいます。 |
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| Q2.学生時代に/最近、熱中したゲームは? タクティクスオウガに膨大な時間を吸われた気がします。 |
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| Q3.大学時代の部活・サークルは? 何も入っていませんでした。ひたすら本を読んで過ごしていた記憶があります。 |
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| Q4.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? 様々なジャンルの本を読むことです。どうやら雑多な知識をためこむことが好きなようです。 |

