戦争や軍事の仕組みを冷静に学ぶことが、平和への近道に
「戦争」と「平和」の間には広い「グレーゾーン」
私はこれまで主に中東地域の紛争や国際関係、安全保障問題について研究を行ってきました。その成果として、直近では『アメリカの中東戦略とはなにか:石油・戦争・同盟』(慶應義塾大学出版会、2025年8月)という本を刊行しました。
最近は特に、「軍事力(武力)は、外交や政治の道具としてどのように利用されているのか」という問題に取り組んでいます。
実は、「戦争」と「平和」は白と黒のようにハッキリ分けられるものではなく、その間には広い「グレーゾーン」があります。たとえば、全面戦争にはならないけれど、軍事力をチラつかせて相手に圧力をかけたり、短期間だけ限定的に武力を使ったりするケースです。これは単なる戦争でも単なる平和でもなく、その中間にある現実なのです。
こうした手法は昔からあり、冷戦時代にはアメリカとソ連がしばしば利用していました。冷戦後はいったん関心が薄れましたが、今では再び注目を集めるようになりました。なぜなら、実際に多くの国や組織がこの「グレーゾーン」を利用しているからです。近年では、イスラエルの攻撃的な対外政策、中国の海洋進出、ロシアのクリミア併合/ウクライナ侵攻などが代表的な例です。こうしたやり方は「強制外交」「限定戦争」「ハイブリッド戦」などと呼ばれたりもします。
「平和を欲するなら、戦争を理解せよ」
かつて戦略家リデル=ハートは「平和を欲するなら、戦争を理解せよ」と言いました。戦争は悪であることに変わりありませんが、そこから目をそらしていても現実はなくなりません。だからこそ、戦争や軍事の仕組みを冷静に学ぶことが、むしろ平和への近道になるのです。
私自身、研究や教育を通じて「戦争と平和のリアル」を伝え、日本や世界の平和を少しでも前に進められればと考えています。ニュースで見る出来事の裏にある「なぜ?」を考えることは、皆さん自身の未来を考えることにもつながっていくはずです。
私が「戦争」や「平和」の問題に関心を抱く直接的なきっかけとなったのは、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件でした。当時、私は高校三年生であり、大学受験を目前に控えながらも自身の進路について色々と迷っていた時期でした。そんな私にとって、この事件は強烈な印象を残しました。それ以来、中東諸国やアメリカなどを中心に世界の様々な場所を訪れ、様々な人との出会いを重ね、今のテーマに辿り着きました。
「現代外交における軍事力の効用:通時的・共時的アプローチによる中範囲理論の構築」
◆主な業種
(1) 通信
(2) 商社・卸・輸入
(3) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
◆主な職種
(1) 調達、物流、資材・商品管理
(2) 営業、営業企画、事業統括
(3) 宣伝、広報、IR
明治学院大学法学部政治学科には、国内政治・国際関係・政治思想・政策研究など多様な専門を持つ教員がそろっています。政治学・国際関係論の主要な「見方(アプローチ)」を一通り学べるので、自分の関心に合わせて探究を深められます。
必修は2科目のみで履修の自由度が高い点も特色です。平均10人ほどの少人数ゼミでは、文献講読やディスカッション、データ分析やフィールドワークを通じて、理論と実践の力をバランスよく身につけられる——これが本学ならではの強みです。
(1)「戦争と平和」というテーマを、日常生活や身近なニュースから考えてみましょう。たとえば、国際的なスポーツ大会や文化交流がどのように国同士の緊張を和らげてきたのかを調べてみましょう。戦争の歴史と比較しながら、平和を築くための仕組みや工夫をまとめることができます。
(2)自分の身近な町や学校に「平和のシンボル」とされるモニュメントや資料館があれば、それがどのようにして設置され、どんなメッセージを伝えようとしているのかを調べてみましょう。歴史的背景とともに考察することで、「平和を記憶する」という活動の意味を考えることができます。
| Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 医学部。医療の専門的知識があれば、紛争の現場でより直接的な貢献が可能になると思うからです。 |
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| Q2.感動した/印象に残っている映画は? 『007』シリーズ。私が今の研究テーマを選んだ根本的の動機は、「小さい頃からスパイ映画が好きだった」ということかもしれません。 |
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| Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 大学時代はミスタードーナツ(六甲道ショップ)でドーナツを作るバイトをしていました。 |
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| Q4.好きな言葉は? 人間万事塞翁が馬。人生は何が起こるかわからないですが、それが人生の醍醐味だと思います。 |

