同じ色に見えてる? コンピュータが物体の色を認識できる手法の開発
白は白? パプリカは黄色?
私たちは物体を「赤!」などと瞬時に答えられます。これ、実はすごいことなんです! 色票が並んでる図を見てください。左の図でも中央の図でも、左下の色票は「白」と認識できます。それら色票の色を取り出し示してみると、思ったよりも色がついてます。
次の例は「黄色のパプリカ」と「橙色のオレンジ」です。でも、両者ほぼ同じ色、いや、場所によってはパプリカの方がオレンジ色っぽいのに「黄色」です。さらに、次の2枚の画像では、真ん中の四角は同じ色ですが違う色に見えます。
光源色やバイヤス、周辺色で見え方が変わる
以上はそれぞれ、光源色、物体固有色のバイアス、周辺色によって色の見えが変わった例です。このように色を認識するためには多様な要素が複雑に絡まっており、色名の認識は物体属性認識の中でも最も難しい問題の一つです。
私はこの問題に対し、被験者実験や機械学習、画像処理技術を組み合わせて挑戦しています。私とコンピュータが同じ色名で物体を認識できれば、ロボットとの対話など、幅広い応用が期待できます。
なお、色票、パプリカ、オレンジの図は、※からダウンロードした「ハイパースペクトル画像」に、人工的な光源データを掛け合わせて作りました。気になる人はこちらも検索してみてください。
※Li et al. Dataset for multispectral illumination estimation using deep unrolling network, KAUST Research Repository. (2021) https://doi.org/10.25781/KAUST-6930V
中高生の時に図工の時間、特に絵画の時間が苦手でした。絵画を「きれい」と感じることはできるけど「きれい」に描く力はない。そんな怨念?から、コンピュータにきれいな絵を描かせよう!と思ったのが大学院の時でした。
でも、「きれい」とか「絵画独特の色彩」とかってコンピュータに実装しづらい。私の認識する色とコンピュータが認識する色が違う。そこから、人間はどう色を認識しているかについて興味を抱くようになりました。
「カテゴリカルカラーネーミングにおける物体固有色名が与える影響の計算機モデルの確立」
みかんは赤いネットに入れられて売られることが多いです。これは、赤いネットの色鮮やかさに「色同化」し、みかんがおいしそうに見えるからです。逆に、先に示した四角が入れ子になっている画像では、小さい中の四角が周辺の色とは反対の色に見えるという「色対比」を示しました。
どちらも周辺の色によって色の見え方が変わる例ですが、どのような場合に「色同化」が起き、どのような場合に「色対比」が起きるか考えてみましょう。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 生物学関連学科からのアプローチで脳神経科学を学び、認知機構について研究したいです。 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカのカルフォルニアの海辺のどこか。のんびりした陽気な感じで生活したいです。 |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? 新聞社で行った、特定の国のあらゆる情報の調査。今ほどインターネットが普及していなかったので、図書館で関係がありそうな本を片っ端から調べました。 |
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Q4.好きな言葉は? ケセラセラ |