ミクロスケールの鉱物に詰まったヒマラヤの歴史を読む
どうやってヒマラヤはできたのか
ヒマラヤ造山運動は、約5000万年前のインドーアジア大陸の衝突から現在まで続き、新生代に形成された世界最大の造山帯です。
ヒマラヤのような大山脈の形成は、海洋プレートが大陸プレートに沈み込み、海洋が消滅し、大陸同士が衝突することによりおこりますが、大陸プレート同士の衝突によりどのように物質循環がおこるのか、いつどのように海洋プレートは沈み込みを開始するのかは、第一級の問題として未解決のままです。
ネパールやインドの岩石から情報を得る
私の研究室は、岩石や鉱物に記録された情報から、ヒマラヤ山脈の過去の歴史を読み解いています。
ネパールやインドでフィールド調査を行い、ヒマラヤ地質や変成帯の産状を観察して、岩石を採取します。実験室では、岩石や鉱物の微細構造観察および化学組成や同位体測定などを通して、それらの岩石・鉱物がいつどのようにできたのかを推定します。
大陸衝突による変形や物質移動を明らかに
電子顕微鏡などを用いたミクロスケールの現象から、プレート運動などのマクロスケールの現象までを広範囲に扱うことに魅力を感じています。例えば、ジルコンはわずか100㎛程度の大きさの鉱物ですが、衝突前から衝突後までの熱イベントを全て記録する場合があります。
大陸プレート同士の衝突境界やその周辺では、部分的に岩石が溶けることに伴う大変形や物質移動が顕著であることが知られてますが、その具体的な形成過程を明らかにすることを目指しています。
学部4年生の時に、中国で開催された国際学会に参加した際に、アジアの広域的テクトニクスの発表を聞き、地質や岩石から情報を抽出して、地球の歴史や大陸の進化を読み解けることに感銘を受けました。また、これまでに報告されていないデータを自分が発見した時の興奮がたまりませんでした。
「ヒマラヤ造山帯の沈み込み-大陸衝突初期造構プロセス」
◆ 今山先生のページ
◆主な業種
(1) 鉱業・資源
(2) 大学・短大・高専等、教育機関・研究機関
◆主な職種
(1) 技術系企画・調査、コンサルタント
(2) 基礎・応用研究、先行開発
◆学んだことはどう生きる?
・地質コンサルタント:地質調査や岩石の知識を活かして、防災などに貢献する
・出版業界:写真の技術を活かして、取材などで活躍する
・国公立の修士・博士課程への大学院進学
日本の造山帯に分布する変成岩に含まれる鉱物の組み合わせを調べて、その岩石がどのくらいの圧力・温度条件で再結晶したのか推定しましょう。また、どのくらい深いところから、岩石が上昇してきたのか計算しましょう。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 韓国ソウル:ご飯が美味しいし、街並みが個性的 |
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Q2.感動した/印象に残っている映画は? 『THE FIRST SLAM DUNK』 |
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Q3.大学時代の部活・サークルは? ボート部:担当はコックスでした |
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Q4.好きな言葉は? 人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま) |