日本は本当に「へん」なのか。世界価値観調査、60か国以上を比較
日本はユニーク?
「日本って、へんだよね」「日本はとてもユニーク」という発言は、みなさんも時々目にすることでしょう。でも、それ、本当ですか。みんなと違うから例外を許してくれ、みんなと同じ原則に従わなくてもよい、という言い訳なら困ったものですね。
このような例外論は、本当に根拠があるのでしょうか。いくつかの国際比較調査研究に僕が20年ほど関わり続けたのは、この疑問の解明を体系的に行おうとしたからです。
何を比較すべきか検討し、価値観調査
世界には、自分の国や市民の特別さを示すよりは、何が世界で一般的で普遍的かを示そうとする研究者がたくさんいます。そうした人たちと協調しながら研究を続けてきました。
世界価値観調査は60ヶ国以上、アジアンバロメータ調査は現在18ヶ国、選挙制度の効果の国際比較研究は40ヶ国以上というように、いずれも国際比較調査の世界委員会を結成し、何が比較され、検討されるべきかを長時間かけて討議した上で、各国の全国調査を実施して比較可能にしたものです。
アジアと西欧のハイブリッド・日本を分析する意味
そうした中で、日本人、日本という国はとてもファンタスティックな立ち位置にあります。非西欧圏で最長の民主主義国家であり、非西欧でアジアの文化の入り口、西欧との文化のハイブリッド化が最も多く進んだ国の1つとして、日本を分析の対象に含めることが、他国にとっても比較の対象として大いにプラスになります。そしてそれは日本が本当に「へん」なのか、どう「へん」なのかも解明してくれるのです。
「アジアンバロメータ調査第5波の実施と比較政治実験の統合による政治文化研究の革新」