人を動かす「承認欲求」。組織の中で活かすには
価値ある存在と認められたい
皆さん、「承認欲求」という言葉を耳にしたことはありますか。
いわゆる「バイトテロ」や不適切動画の投稿で最近、承認欲求という言葉がしばしば使われるようになりましたが、本来は自分の能力や個性などを他人から認められたい、そして自分が価値ある存在だと認めたい、という正常な欲求の一つです。
科学者にとってはノーベル賞、作家にとっては芥川賞や直木賞、スポーツ選手にとっては金メダルや優勝が大きな目標であるように、承認欲求は人間を動機づける大きな力を持っています。
自信や働く意欲を高める効果がある
それは企業などで働く人にとっても同じです。私は働く人を承認することがどんな効果をもたらすか、会社、役所、病院などの組織で研究してきました。
その結果、承認は「やればできる」という自信をつけて挑戦意欲を引き出したり、働き続けようという意識を高めたりするなどの効果があることが明らかになりました。
逆にプレッシャーやストレスとして働くことも
ところが一方で、ほめられたり期待されたりすると、それがプレッシャーになり逆にやる気をなくすとか、ストレスから体調を崩すなど、承認が逆効果になるケースも少なくないことがわかってきました。承認欲求がマイナスに働いているのです。
では、承認がプラスになるかマイナスになるかを分けるものはいったい何なのか、どうすれば承認欲求を良い方向に活かすことができるか。人間の心の奥底を探りながら研究を続けています。
人間の働きがいには、周囲からの承認が必要です。また承認欲求は人間のモチベーションを引き出し、生産性の向上や社会の発展をもたらす原動力にもなります。したがって、人々が正しく認められるシステムについて研究することは、持続的な社会づくりにとって大切な課題になります。
「承認欲求に働きかける組織・人的資源管理の効果に関する実証的研究」
その時々世の中で起きている社会問題を取り上げて話し、学生が自分自身の視点から問題の核心に迫り、意見を述べる習慣をつけるよう促しています。
◆Twitter→https://twitter.com/ohtahajime
◆主な業職種
(1)コンサルタント・学術系研究所のコンサルタント(ビジネス系等)
(2)マスコミ(放送・新聞・出版・広告)
(3)自動車・機器メーカーの人事・労務・研修その他人事系専門職
◆学んだことはどう生きる?
大学の教員として、効果的な教育システムについて研究し、専門分野で注目されるような活躍をしている卒業生がいます。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 社会学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? マレーシア。多様性を尊重する「ゆるさ」が魅力です。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『砂の器』、『愛の不時着』 |
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Q4.会ってみたい有名人は? 林真理子、瀬戸内寂聴 |