音読で外国語が話せるようになる科学 科学的に正しい音読トレーニングの理論と実践
門田修平(サイエンス・アイ新書)
本書は英語教育に関して、特にリーディングにおけるシャドーイングや音読などの効果について長年研究をされている門田修平先生の著作です。グローバル時代に英語力は必須となりますが、使える英語を身につけるために、音読は有効な手立てです。
本書は、ことばの習得をめぐる、隣接諸科学(言語学、音声学、認知心理学、認知科学、脳神経科学)の成果と、ここ十数年の間にめざましい進歩を遂げ、多くの研究成果が出ている第二言語習得研究の知見を集約して音読学習について提案されたものです。高校生の皆さんも本書を読むことで、自身の英語力向上の一助となるとともに、英語教育学と隣接科学に触れていただけるきっかけになると思います。
小学生にやる気を起こさせる「英語」の指導と評価手法を考案する
英語好きを育てる教育を目指して
皆さんは、英語学習が好きですか。英語を用いて世界の人々とコミュニケーションをしてみたいと思いませんか。私は幼い頃から洋画や洋楽、海外の文化に興味を持ち、英語が好きで、高校の英語教員になりました。
その後、ALT(Assistant Language Teacher::英語指導助手)と一緒に英語で授業をしたり、海外留学や旅行をしたりする中で、グローバルな視野を持ち、異なる言語や文化、価値観を持つ人々と知り合い、交流する中で、世界平和や地球規模の様々な問題を解決することに貢献できる人になりたい、また、そのような人を育てたいという思いを抱くようになりました。
そのためには、英語好きを育て、国際共通語としての英語を使えるようにすることが必要です。その後、指導主事や、大学で教員養成/研修などの教師教育の道に進むことになりましたが、教育と研究は私にとっては両輪です。
小学校英語が「教科」になる
2020年から学習指導要領が大きく変わり、小学校で英語が教科になり、小3から外国語活動、小5から教科外国語が始まりました。学習指導要領は、公教育にとって法律のようなもので、順守しなければなりませんが、その目標が達成できたかどうかを評価することも重要なのです。
皆さんは、評価についてどのようなイメージを持たれていますか。指導と評価の一体化はよく言われるのですが、評価は評定をつけるのみならず、児童・生徒を励まし、やる気を起こさせ、自分は英語ができるといった有能感や自己効力感、自信をつけ、自ら計画して学習を遂行し、取り組みや成果を振り返るといった自律を促すものでなければなりません。
Can-Do尺度や評価基準表を作る
そのような観点から、現在、小・中における英語教育の接続を目指して、学習指導要領でもうたわれている、学習者の思考・判断・表現と学びに向かう力を促進する授業設計と評価のあり方を研究しています。
研究グループとして、小中大の先生が一つのチームになり、教科書を分析したり、タスクを設計し、Can-Do尺度(何ができるか)を用いた評価指標やパフォーマンス評価のためのルーブリック(評価基準表)を作成し、授業実践で取り組んだり、児童・生徒にアンケートや振り返りシートなどに記入してもらい、蓄積したデータを分析して、研究成果を発表したり、まとめて論文や冊子にしたりしています。
研究を通して、教員が変わり、授業が変わり、児童・生徒が変わる様子がよくわかり、大変やりがいを感じています。
世界の子どもが教育を受ける権利、質の高い教育を受けられるようにするために、まず現状を知ることが大切です。そこで、教育の大切さや海外の学校事情について、諸外国の小学校の様子、給食、科目、日課などをトピックに挙げ、児童・生徒に学ばせます。
また、TV会議や国際交流などを通して、英語を用いて海外の小学生と交流をするなどの授業を行い、実際に出会い英語でコミュニケーションを行う体験を通して理解を促し、行動に移そうとする者も出てくると考えています。
「小中接続を目指し学習者の思考・判断・表現と学びに向かう力を促進する授業設計と評価」
月刊誌『英語教育』(大修館書店)を毎月購入して読むように薦めています。また、英語教育関連の学会や研究会に参加して、レポートを提出するように促しています。『英語教育用語辞典』も購入してもらい、専門用語の知識をつけられるようにしています。
◆いま、教育現場では英語指導の専門性を有する教員が求められています。(関西学院大学)※下までスクロールしてください
◆主な業職種
(1) 幼稚園・小学校教員
(2) 中・高等学校教員
(3) 教育支援(塾講師など)
(4) 公務員・教育関連企業
◆学んだことはどう生きる?
小学校教員、中高の英語教員になっている人がほとんどです。また、大学院の修了生は、それ以外にも高専や大学の非常勤講師などもいて、教育界で活躍しています。
教育学部では、2021年度入学生より英語専修を設けて、これまでの小学校の教員免許、中高の社会の教員免許、保育士、幼稚園、特別支援学校の教員免許のみならず、中高の英語教員免許も学部で取れるようになりました。
私立大学の教育学部で小中高の免許(英語)が取れるのは稀有であり、小学校外国語教育を牽引する教員の養成、小中の両免許を持ち英語を指導できる教員の養成も目指すことになります。また、海外の教員ボランティアなどの国際交流も盛んです。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 国際関係 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 英国。以前に留学をしていたことがあり、伝統文化や美しい自然、歴史に興味があるから。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『ライフ・イズ・ビューティフル』(イタリア映画)・『サウンド・オブ・ミュージック』(ミュージカル映画) |
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Q4.大学時代の部活・サークルは? 聖歌隊 |
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Q5.研究以外で楽しいことは? 茶道、旅行、料理 |