コロナ危機で世界経済が停滞。100年前のパンデミックに学べ
ステイホームで生産や消費が縮小
皆さんは、振り子の同期現象を知っていますか。振り子時計を2台隣同士においておくと、最初は振り子の振れ方がバラバラでも、そのうち動きが揃ってしまう不思議な現象です。
経済活動でも、ある国の経済の動きが他の国の経済の動きに似ていくという現象が観察されることがあります。
例えば、新型コロナウィルス危機の影響で世界各国の経済活動は大きく停滞しそうです。これは、ステイホームをせざるを得ないため、企業の生産活動をどの国でも縮小しないといけないからかもしれません。あるいは、影響が長続きしそうだと人々がマイナス思考となり、節約モードに入るからかもしれません。
過去の研究手法も学ぶ
この様な可能性を考えることとは、仮説を立てることに他なりません。ですが、仮説は所詮仮説です。仮説の妥当性の解明が求められます。
研究者が最初にやることは歴史から学ぶこと、すなわち過去の同様の事例を調べることです。調べるのは過去の事実だけではなく、過去の研究(分析手法)についてもです。驚くことに、危機から数か月で、100年前のスペイン風邪を参考にした数々の研究が報告されています。
また、学問のクロス・オーバーも有効です。実は、振り子の同期現象の数理が経済分析にも応用されています。他分野のアプローチ応用した革新的な研究は、ワクワク感と斬新な結果をもたらし、人類の英知のフロンティアを切り開くことになります。
「国際的な産業部門別生産性の連動と長期停滞論の関係の解明」
◆主な業種
(1)金融・保険・証券・ファイナンシャル
(2)官庁、自治体、公的法人、国際機関等
(3)ソフトウエア、情報システム開発
◆主な職種
(1)経理・会計・財務、金融・ファイナンス、その他会計・財務・金融系専門職
(2)総務
(3)営業、営業企画、事業統括
◆学んだことはどう生きる?
当初は金融業界に就職し、中小企業向けの資金の貸し付けを担当していた卒業生がいました。しかし、資金繰りに苦しむ企業や、様々なトラブルに巻き込まれる企業の厳しい現実を知り、一念発起して退職した上で、弁護士を目指しました。金融と法務という分野をまたいだ先に新しい世界があることを、彼は見抜いていました。現在では、金融機関での実務経験を活かしながら、弁護士として、日々中小企業の相談に乗る充実した日々を過ごしています。
経営学部は、その名の通り、企業の経営に関わる学びの機会を提供する学部です。そして、私から見ると、経営学部は動物園のような学部です。なぜなら、企業の学びに関わる学問分野は多岐に渡るからです。法政大学経営学部は、規模も国内最大級のため、主要分野に複数名の教員を配置し、重層的かつ先進的な教育・研究体制を構築しています。
生産性とは何か 日本経済の活力を問いなおす
宮川努(ちくま書店)
かつては世界トップレベルといわれた日本の企業の生産性。近年では、むしろその低さが日本経済の停滞の一因だと言われます。
生産性とは何でしょうか。昨日よりも今日の方が、勉強がはかどったのであれば、今日の方が学びの生産性は高かったということです。つまり、生産性とは生産の効率度合いを意味します。生産の効率が低いとは、少子高齢化の進む日本にとっては一大事です。
生産性を高めるにはどうすればいいのか、各国の生産性の違いは何か、こういったテーマに順を追って答えているのが本書です。そして、生産性向上に政府の果たせる役割にも言及しています。生産性研究の第一人者が、平易な語り口で主要な論点をコンパクトに紹介してくれます。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ。多様性のメリットデメリットを肌で感じられるから。 |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? 故人ですが、指揮者のカルロス・クライバー。特に、『ブラームス 交響曲第四番』が好きです。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? アルフレッド・ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』。 |
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Q4.大学時代の部活・サークルは? クラシック音楽の評論サークル |
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Q5.会ってみたい有名人は? デーモン閣下(有名「人」ではありませんが...) |