図書館で働く人の知識や資質を、欧米と比較
教員たちの運動で作られた学校図書館法
皆さんの学校には、図書室または図書館があると思います。建物の中の一室であれ、独立した建物であれ、学校の中の図書室または図書館のことは「学校図書館」と呼びます。
日本では、第二次世界大戦後の1953年に、多くの教員たちが運動をして立法された学校図書館法(※1)という法律に、「第三条 学校には、学校図書館を設けなければならない。」とされていることによって、すべての学校が学校図書館を持つようになりました。
欧米では刑務所にも図書館
学校に学校図書館があるのは当然の日常だと思っていたあなたには、学校図書館があたりまえのように身近に存在することが、実は世界中に、普遍的に見られることではないことをお伝えしたいと思います。
一方で、欧米諸国には、刑務所にも図書館がありますが、日本はそうなっていません。図書館のあり方は、図書館の置かれる親機関やコミュニティが図書館をどのような存在ととらえ、何を期待するかによって、変わります。
研究内容を司書教育に反映
図書館で働く人たちのあり方も同様です。私は、図書館、中でも学校図書館、つまり小学校・中学校・高等学校の図書館で働く人たちが、どのような専門的な知識や技術、そして資質を持っている必要があるかについて考えています。
近年はそれを、欧米諸外国との国際比較を通じて研究しています。それと同時に、私が主任を務める立教大学の司書課程の教育に、少しずつですが反映しています。国際的に通用する図書館の専門職の養成を日本で実現するのが、私の夢です。
※1 学校図書館法については以下を参照(e-Gov)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=328AC1000000185
※2 立教大学の司書課程については以下を参照
https://www.rikkyo.ac.jp/campuslife/support/certification/librarian/
「グローバル水準の学校図書館専門職養成カリキュラムの開発研究」