アメリカ発の積み立て投資で、どう老後に準備できるのか
40年前にアメリカで始まった401(k)プラン
今日、安心して老後を迎えるためにどうしたらいいのでしょうか。2019年には、「老後に2000万円必要である」という金融庁の報告が話題となりました。「人生100年時代」という言葉もさかんに使われるようになり、iDeCo とかNISAとかマネーの話もニュースなどで時々紹介されています。
今日、老後の備えについて考えることは山ほどあり、率直に言って大変です。こうした変化がはじめに生まれたのがアメリカでした。具体的には401(k)プランという、自分でお金を積み立て、投資して老後に備える仕組みが今から40年ほどまえから大流行し、20年ほど前にその仕組みが日本にも取り入れられました。この401(k)プランとそれを取り扱う政策について、私は研究しています。
老後の準備は企業まかせから、自己責任へ
401(k)プランの仕組みは、世界のあり方を大きく変えました。アメリカでも、かつてミドルクラスの老後は、勤め先の企業から与えられる保障に頼れば良いという仕組みが中心でした。
しかし今日では、積み立て計画や投資先、税金のことなどは「自己責任」で考えなければなりません。それはまた政府の役割も大きく変えました。
個人の「自由」と「自己責任」に任せた上で、どうすれば皆がうまく老後に準備できるのか、考えなければならなくなりました。そこで何が議論されている課題や政策を見ることで、この分野でアメリカの後を追う日本人の生活を豊かにする手がかりを探しています。
市場社会において貧困を防ぐために生み出された年金システム。
「確定拠出年金時代における支援政策・活動の国際比較~米国の経験を起点に」


◆講義「社会保障論」「社会保障と保険」では
現代の社会保障システムはとても広く複雑です。それは事実や数字の羅列ではありません。私の講義では、社会の理念、それを体現するデザイン、また変化のダイナミズムという視点から、日本や諸外国の社会保障システムのかたちやその課題を伝えていきます。
◆主な業種
(1) 金融・保険・証券・ファイナンシャル
(2) 官庁、自治体、公的法人、国際機関等
◆主な職種
(1) 営業、営業企画、事業統括
(2) 総務
◆学んだことはどう生きる?
金融機関、公務員、マスコミなどに就職しています。私が専門とする社会保障は国民所得の4分の1に相当する規模であり、また生活にも深く関わっています。これらの分野に関する知見は、顧客の生活のリアリティを理解する上で必須の知識であり、金融はもちろん各種の営業や企画、政策策定に活かされているようです。
経済学は、アメリカを中心にグローバルな統合が進む分野です。その一方、日本の具体的な制度や現実そのものの研究も、依然として重要です。青山学院大学経済学部は、国際的にも最先端の「経済学」の研究と、日本の現実に根差した着実な「経済」の研究とがバランス良く揃っており、これから社会で活躍する大学生が「経済学」と「経済」のそれぞれを学ぶのに適した環境です。
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Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ? 歴史学 |
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Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? アメリカ。変化に富んでいるから。 |
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Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は? 『インターステラー』 |
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Q4.熱中したゲームは? 『ポケットモンスター ソード』 |
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Q5.研究以外で楽しいことは? まちの散策 |